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ボルトの家系

2012年07月10日
吹奏楽部の部室のある3階から一個下の2階。

此処には生徒会室がある。

そして生徒会長が、大きな椅子に座っていた。

ピカチュウなのだが、ボルトと違ってくせ毛だ。

そのピカチュウの名を、ライトという。

ボルトと双子な関係だ。

しかしなかなか似ていない。

吹奏楽部の天才トランぺッターと野球部兼生徒会執行部の生徒会長。

不思議な双子さん達だ。












「おい、この資料誤字があるぞ!!」

「なんでそんなことで叫ぶんですか会長」

「だってこういうの見つけたらうれしいんだもん!!」

言葉遊びが大好きなライト君は、ボルトとは別に育てられてきた。

秩序の守られた家系で育ってきた。

ボルトと別れたのは生後間もなく。

ボルトとライトの両親は、交通事故で共になくなっている。

そんな悲しい過去があることを知らずに平穏に育ってきた。

最近、ボルトがその事実を知って、さらに双子がいるということも知った。

ゲームばっかりしていたボルトとは対照的に、ずっと真面目に本を読んできた。

だから頭もいい。

ボルトは平凡すぎる…。

笑えるぐらいに平凡なのである。

ただ、肩書は「天才トランぺッター」というだけだ。

しかしライトも変なことは変だ。

言葉の間違いですぐ笑う。

朝礼で校長先生がかむとすぐ笑う。

ボルトの顔を見るだけで笑う。

結構笑いじょうごなのである。

お笑い番組もろくに見たことがないライトも、笑いまくるのである…。























「ただ今ぁ~」

ボルトが家に帰った。

「お帰り」

家にいるのは姉、ライチュウのチカである。

実質この二人暮らし。

でも姉はもう成人しており、普通に働いているので暮らしは全然いい方だ。

「今日の晩御飯は?」

「オムライスよ」

「やったー!!」

しかも凄腕だ。

料理がめちゃくちゃ上手らしい。

そしてオムライスにはボルトはケチャップを大量にかける。

だから、ケチャップのストックの量はハンパない。

「いっただっきまーす!」

そのおいしそうに食べる姿を見るだけで、チカの頬はほころぶのであった。


「…ごめんっ!!」

部活の朝練にやや遅れてきてしまったボルト。

部長であるブイゼル…ルークに謝った。

「…いぃよもぉ…次からは気を付けてよ。まぁ寒いからね、布団から出たくないのはわかるけどさ」

「…はぁい」

「そう言えば今日うちのクラスに転校生来るって」

「ルークも転校生だよね」

「あれ、そうだっけ?」

「しっかりしなよ部長ったら…」

「寝坊した人に言われたくないな」

「ごめんってば」

そして楽器を片付ける。

ルークはサックス担当。

partリーダーであり、また感性もいいのでとても先輩方からの評判がよく、部長に選ばれた。

一方ボルトはめきめきと力をつけてきた。

才能よりも努力が実る形で、今やポケモン学園の吹奏楽部の天才トランぺッターといわれるほどうまい。

しかし、学習面、生活面においてはごくごくどこにでもいそうなピカチュウなので、トランペットという目立つ楽器のくせに存在自体は目立たないのである。

これで転校生なんて来たら、それがもし電気タイプだったら、僕の存在はますます薄れるだろうな…。




















ボルトの予想は的中した。

「転入生のパチリスです。名前はリースです!!よろしくお願いします!!」

まんまじゃないかその名前…。

しかしそのパチリスは雌であった。

…つーか僕の存在薄れるのは決定的だよねこれ。

何で電気タイプなんて来ちゃうのさ!!

ただでさえこの存在感1パーセントの地味な中学生(部活を除く)が…。

ボルトはがっくりと肩を落としていた。

「…はぁ…」

「じゃあそこの寝癖ツキまくりピカチュウの隣ね」

作者…なんでこんなベタな展開にしてくれてんのさ…。

「…よろしくね」

横に向かってほほ笑んでくれたリース。

「…あ、よろしく」

…かわいい。

想像以上にかわいくないかこの子。

…これは恋?

いや、まだ僕には早いよ。

だって…まだドキドキしないもん…。

ってしてるよ!?ドキドキしてるよ!!

作者、完全に僕のこと操って遊んでるよねこれ…。




























「リース、なんの部活やるの?」

「…吹奏楽部よ。私これでもあっちではクラリネット吹いてたんだから」

「ほ、ホント!?」

ボルト、ルーク、そしてポッチャマのポールは目を見開いた。

ポールは吹奏楽部の打楽器担当。

いわゆるパーカッションというものだ。

今やポケモン学園に誇れるドラマーになってたりする。

「…やったぁ!!」

部長のルークは当然大喜びである。

「あ、僕ルーク。吹奏楽部の部長やってるの」

「俺はポールだ!!パーカッションのドラマーだぜ!!」

「え、あの教室のドアからこっち見てるのがエドとミミ。」

ボルトとポールがルークに言われてドアの方を向くと、そこにはナエトルのエドと、ミミロルのミミがいた。

「来てたの?」

「いや、転校生観に来たんだけど…男子じゃなかったんだ…」

「あら、女子は大歓迎よ?」

ミミが当然のように言う。

「だって、この学校男子の方が少ないもん」

「3人だけじゃないの」

「…まぁまぁ…」

リースはそんなエドとミミを見て、にっこりとほほ笑んだのであった。



























「え?なにそれ!!」

ルークが家に帰るときに大笑いしたのは、ボルトの初恋(?)のことだった。

「笑わないでよぉ!!」

「だ…だってボルトが!!!あハハハハハ!!!」

「笑いすぎーっ!!」

ついにボルトも一緒に笑ってしまった。

今日はおかしな一日だ…と思いながら。


























また明日から、新しい一日が始まるのであった。

朝。

目覚ましがうるさく鳴る。

「あぁもう、うるさいなぁ…」

その目覚ましを止めて、ベッドから起き上がる。

「…やっば、もう7時半!?」

ボルトは急いで朝食を済ませて、歯を磨き、癖のついた前髪(?)を直そうとするが直らない。

あぁもうなんだ、といった感じで前髪は放置して、玄関を出た。

それがボルトのいつも通りの朝だ。

ボルトは只今中学二年生。

なかなか勉強もできないアホ野郎だ。

ただ吹奏楽部ではトランぺッターとして活躍中のピカチュウである。

この物語は、平凡ピカチュウのボルトとその仲間たちの最強学園ストーリーである!!

「…なんで俺はこんなポケモンになってんだよ!!」

トオルは顔をしかめた。

「私なんて、そのまんまサクラに…」

サクラは肩を落としている。

その光景は、リンクとシャインからしてはとても変な光景に見える。

どう見てもポケモンなのに、なんでそんなに落ち込んでいるのかわからない。

「なんで落ち込んでるんですか?」

リンクが聞いた。

「私たち、人間なのに…!!」

サクラが泣きそうな顔で言う。

「ニンゲン?なんだそれは」

シャインが顔をゆがませた。

「…人間…だった…」

リンクがつぶやいた。

「まぁ良くわからないけど…とにかく、俺んちこいよ」

シャインが二匹を案内した。

















シャインの家は、大きな木の中にあった。

でも、家には見えず、何か企業っぽい感じ。

「ここが本当にあなたの家なの?」

サクラが聞いた。

「あぁ…俺が経営するある仕事のギルドでもある」

中は広々としていた。

階段がらせん状にぐるぐる上がっていて面白い。

「…ねぇ、シャインさん、この掲示板何?」

「それか…それは、依頼掲示板だ」

「「依頼掲示板??」」

二匹が声をそろえていった。

「…俺の仕事の名前は、探検隊のギルドの親方を努めること。でも本当の親方はあっちのトレジャータウンにいる」

「じゃあここは…」

「いわゆる、別館プクリンのギルドってことだな」

「探検隊ってどんなことするんだ?」

「…そうだなぁ…困ってるやつを救助したり、宝物を探したり、お尋ね者を倒したりするんだ」

「かっこいい!」

「いいなぁそう言うの」

シャインは、二人の目を見ていった。

「お前ら、探検隊やるか?」

「え?」

「こっちも少々人手不足だからな…でも、強制はしねぇぜ」

「…あたしやりたい!」

「俺も!!」

「じゃあ決定だな…」

シャインはにこにこしながら、階段をのぼり、二人をまた案内した。

















「チーム名はどうする?」

「…えっと…」

次回、サクラとトオルのチーム名が決定する!!

プロローグ

2012年07月10日
静かな砂浜。

二匹のポケモンが気を失っているところを、たまたま通りかかったコリンクは見つけた。

「…だ、大丈夫ですか…?」

恐る恐る顔を覗き込んだ。

そこには、チラーミィとチェリムが倒れていた。

「…反応がないなぁ…大丈夫なのかな」

コリンクは背中にチラーミィを、頭としっぽでバランスを取りながらチェリムをのせて、ある場所へ向かった。
















「ここなら安全だよね」

一人でつぶやいた。

そこは静かな洞窟の中だった。

「…おーいリンク、ここにいたのか」

「シャイン!!」

コリンク…リンクの友達、シャインことブイゼル(光っていないが)がそこへやってきた。

「ん、誰だそいつら」

「砂浜で倒れてたの」

「よく運べたなぁー…こんな地味なところまで」

「でも困ってる人は見過ごせないんだ」

「俺もさ」

シャインはにっこりとほほ笑む。

「とにかく、手当てしねーと…傷がたくさんある」

「そうだね」

リンクは、森の中に木の実を取りに行った。

その間。

チェリムが、うっすらと目を開けた。

「…うぅ…ここはどこ?」

「お、目ぇ覚めたか」

「…うわぁぁぁぁぁああ?!」

チェリムは後ろに少し引き下がった。

何て言ったって、驚くのに無理はない。

目の前にいるのがブイゼルなんて…。

さらに。

「な、なにこの手!!」

シャインからしたら何で驚いているのかわからない。

「…ねぇ、私どうなってるの!?」

「なに…って、普通のチェリムじゃない?」

「チェリム!?」

そのチェリムは、とにかく焦っていた。

「あ、トオルは!?」

チェリムがきょろきょろするのを見て、シャインは聞いた。

「…あの…どちら様で?」

「え?えぇぇえええ!?やっぱり、しゃ、しゃべってる…」

「なんで?喋るのが普通じゃないの?」

「だって、ポケモンがしゃべってるなんて見たことないし聞いたことないしそんなのゲームの中の話じゃない!!」

「…おいおい、何言ってんだよ、あと名乗れ」

「私は…サクラ」

「…いい名前だな…どこから来たんだ?」

「…分からない」

その時、チラーミィも起き上った。

「…うぅ…俺は…」

「あ、目ぇ覚めた!?ねぇ、トオルなの?」

「…あぁ…俺はトオルだ…お前誰…つーか人間じゃねーのに話しかけても無駄か」

「あたしよ、サクラ!!なんかこうなっちゃってて…」

「え、マジ、お前サクラ!?まんまサクラじゃんか!」

「うるさいわねぇ…そういうあんたも、なんかやけにかわいくなっちゃってるわよ!!」

「うるさーい!!静かにしろ!!」

シャインが叫んだ。

そしてリンクが戻ってきた。

「あ、起きたんですね!!」

「そうそう起きたんだけど様子が変でよー…何とかしてくれリンク~!!」

「そう言われても…はい木の実」

木の実を二匹にあげる。

二匹はつぶやいた。

「なんであたしたち、ポケモンになっちゃったんだろう…」

sick・panic!!

2012年07月08日
「…ねぇ、エテボース」

今僕の体はエテボースで、エテボースの体はブイゼルという状況。

そして、僕の体にいるエテボース(ややこしい…)に、聞いた。

「なんでこうなったんだっけ」

事の始まりはオーキド博士に整理を頼まれたことだった。

そのせいで薬をかぶった僕らは入れ替わって…

ということなのだ。

「…もう、なんでこうなるのかしらねぇ…」

でも別に楽しくないというわけでもない、という顔をするエテボース。

でも自分の表情を自分で見るってそうそうないよねこれ。

まぁいいか。

その時だった。

「いっ…痛!!」

僕の本体、つまりエテボースが崩れ落ちた。

「…な…!?」

僕はオーキド博士をすぐに呼びに行った。


















「これは…アクアブレア病が進行している…!!」

と告げられた僕。

僕のせいで、彼女をこんなに苦しめていいのだろうか…

変われるのなら、変わりたい…

その時、ぼくとエテボースの体が光って―――













元に戻った。

僕の体には、激痛が走っていた。

そして気が付いた。

わきのところにあざができていることに。

しかも冷凍パンチで使う方の腕にだ。

そのあざからの痛みが、僕の体全身に響く。

何だ、この感じは…

エテボースの顔が、ぼんやりと見える。

意識がもうろうとする。

その中で、続く痛み。

苦しい。

エテボースの声が、遠くなっていった。





































「ブイゼル、大丈夫か?」

ゴウカザルがいる…

ドダイトスも、みんながいる。

体の痛みは少々和らいでいた。

「…僕、生きてたんだ…」

死ぬ気だった。

暗黒の闇に放り出されたような苦しさだったと。

「じゃあブイゼルの体が治るまで、みんなで看病するぞー!!」

「おー!」

何でこんなにみんなは優しいんだろう…こういう人たちでよかった!!

と、心で喜びをかみしめていた。



















アクアブレア病は不治の病ともいわれる難病である。

でも、みんなのおかげで症状がだいぶ和らいだ。

「ブイゼルも寝たきり生活じゃなくてよかったなー…記念に、缶けりしようぜ!!」

「缶けり―!?」

そしてみんなで缶をからからと蹴って遊んでいた。
















缶が、僕の頭に当たった。

「痛いわぁぁ!!」

僕はキレて、みんなの方へと走り出した。

labo・panic!!

2012年07月08日
博士にバンジージャンプ台の処分をパシられて、ひょんなことから研究室に入った。

「うわー…博士、ポケモン以外にも怪しい薬品をたくさん…」

「ほんとだよぉ~…」

今僕はエテボースと一緒に研究室に入った。

別に気まずくないので大丈夫だろう。

いろいろおしゃべりしながら、研究室の整理をさせられた。

「あぁー…もうしんどいなぁ…めんどくさいよなぁ」

「ほんとだわ…これはどこにおけばいいんだっけ?」

薬の入った大きめの瓶をエテボースが持ったその時!!

「あーっ、止まらない助けて―」

ドォォォォォォォン、とものすごい音がした。

パリリン、と瓶が割れる音も。

突っ込んできたのはドンファンだった。

「…いたっ…ガラスの破片でちょっと怪我した…」

ん…。

と…。

これは…!!

「…あれ、エテボースになってる…!?」

「…あたし、ブイゼルになってる!」

どうやら僕らは入れ替わってしまったようで…。
























「ばれないように、過ごしましょっか」

「そうだね」

ということで、僕はエテボースとして過ごすことに。

しかしオーキド博士が思いもよらぬ発言をすることに…!


















「いやー…すごい状況じゃがこれはいくらなんでも…」

オーキド博士は若干落ち込んでいた。

そういえばオーキド博士がしょっちゅう出てくるようになったな。

「まぁ、ブイゼルはツタージャを助けてくれたことだし、許すことにするかのう!!」

オーキド博士がその言葉を言った瞬間、僕は凍りついた。

青ざめた。

「…助けた…ってどういうこと?」

「…全部話すよ」

聞かれたからにはしょうがない。

一部始終をすべて余すことなくしゃべった。

エテボースは、

「ツタージャの一命を取り留めてくれたんなら、それでいい」

とにっこり笑ってくれた。

オーキド博士が去ってから、まぁ、エテボースからだが、キスされた。




















「元に戻れるかわからない!?」

その言葉を聞いて僕はちょっとびっくりする。

しかもエテボースはアクアブレア病も一緒に兼ねるから誰かに攻撃された時は結構きついかなぁ…。

次回、さらにpanicは巻き起こる!?

「オーキド博士がバンジージャンプ用の台を買ったって!?」

「いい歳なのに!?」

「うそだろ、マジかよ!!」

そんな話題がオーキド研究所を支配した。

「てかそんなお年寄りがバンジージャンプしてどうするんだ」

川柳をやるなんてまさに年配の方らしいのに、バンジージャンプで調子でもこいてやるということなのだろうか。

ちょっと気になってしまった。

僕がオーキド研究所の庭を見ると、そこには高さが約30メートルほどの高い台が設置されていた。

「川柳で儲かったんだろうな」














しかしそのバンジージャンプ用の台はあらゆる場面で邪魔だった。

強風が吹いたらもう以上にうるさいし…

黙ってろって言いたくなるほどうるさくて音楽鑑賞に耳を傾けることすらできずみんなが腹を立てる。

晴れた日に外で遊んでサッカーなんかしてるとサッカーボールがその台に当たって跳ね返って相手チームにボールが回る。

そんでますますみんなが腹を立てる。

オーキド博士の考えは間違えているんじゃ…?


















オーキド博士が、

「みんな、あのバンジージャンプ用の台で何で遊ばないのじゃ?」

と聞いてきた。

みんな思い思いの言葉を発していたが、オーキド博士には何を言っているのか到底理解できないだろう。

というか、あれは僕らのために買ったのか!?

博士の考えどうかしてるよ。

ホントどうかしてるよ!!

大体バンジージャンプで遊ぼうという輩はそんなに多いわけじゃないし、遊んだ奴見たことないし!!

そういうのは遊園地でやるからこそ楽しいんだよ!!



















みんなはストライキを起こし、そのバンジージャンプ用の台を一気に攻撃して、壊してしまった。
























バンジージャンプの台は…もう、設置されることはなかった。

や、ヤバいよ…静かにとおろうよ」

「あぁ、見つかったらたぶん一撃だよなこれ」

「そうだね」

こそこそと僕らは道をゆく。

しかし、ギラティナのギラリと光る眼が、僕らを見つめたのがわかった。

「…何をしている」

「ひぃ!?」

「なにをしていると聞いている、答えろ」

「…僕ら、探し物をしてるんです」

「アグノムか…探し物というのは何のことだ?」

「…えっと、洞窟の中にあるって聞いた願いをかなえる滝です」

「願いをかなえる滝なんてない、あるのは願いをかなえる氷みたいな岩だ」

「氷?」

「滝の向こうにあるんだ」

「そういうことか」

しかしギラティナの放つものすごいオーラみたいなのがじんじんと僕らに…。

「困っていそうなのはそこのイタチ君だな」

なんかノリが変わった?

「あ、はい、ぼくですね」

「なにを悩んでいる?」

僕はこれまでに起こった一部始終―――ドリュウズと出会ってギラティナのところまで来る、そのすべてを話した。

「友だちが謎の病に……しかも全員とは…」

「どうすればいいんでしょうか…」

ちなみに、人工呼吸をしたことは言っていない。

でも、待ち続けるのも嫌なんだ。

でもみんなのこと…助けたいよ…

「救いたいのだな?」

「はい」

「宝物…」

とギラティナがつぶやいた気がしなくもないが、

「ついてこい」

僕たちは、ギラティナの後を追った。





















「ここだ」

滝を貫通したところに、美しい紫色の色―――とても、悪なんか秘めていなさそうな紫の美しい光の舞踏が、僕らを照らす。

その光はクリスタルに閉じ込められてひかっているようにも見えた。

僕はその光を見た。

目を閉じた。

何か、願っていた。

願いたくなった。

僕の友達を、助けてほしい…



















クリスタルの中の石は、きらきらと放っていた光を一段と強め、光は僕らを包み込んだ。





















目が覚めると、そこにはクリーム色の頭のまるで七夕の笹のようなものが付いているポケモンがいた。

「…これ…ジラーチ!?」

僕は、目を見張った。

幻といわれるポケモンが、この場に三匹いるということに、神秘さえ感じていた。

「頼む、みんなを助けてくれ!!」

僕は、瞳の中に、あらゆる光が入ってくるのを感じた。

何かが変わった感じがした。
























































洞窟の外に出た。

研究所が見えた。

そこにはみんながいた。

笑っていた。

微笑んでいた。

いつも通りの日常が、戻ってきていた。

僕は、気が付いたら、周りに何もいないことに気が付いた。
























「おい、どこ行ってたんだよ!!」

「え?」

戻ってからゴウカザルに聞かれた。

「…どこ?って、まぁ…内緒かな」

僕はニコリと笑って見せた。

「教えろよこの馬鹿野郎がぁ~」

「いやだいやだ…っておいちょっとおいってばおいおいおいおい!!」

僕は次の瞬間、ゴウカザルのブラストバーンを食らった。

何で僕がくらったんだぁぁぁぁぁぁぁ!!

























こうして、いつも通りの日常が、再びサイクルを始める。

「アグノム…歩き出して早々謝りたいんだけど…」

「なにを?」

「なんで君が僕のためなんかに「困ってるからさ」

さえぎられた。

アグノムの顔は笑顔でいっぱいだった。

「困ってる人は見捨てない、それが僕のポリシーだよ」

なんかどっかで聞いたことがある。

まぁいいか。

ふわふわと浮かびながら、アグノムは僕を洞窟へ案内した。

「なんか・・・いかにも、ポケモン不思議のダンジョンっぽいなぁ…」

アホ作者の他の小説にダンジョンの話あったな。

チーム稲妻あったな。

「そういうもんだよ」

アグノムは僕を中に連れて入った。

くらくてよくわからない。

「あ、そうそう、助っ人がいるの」

「助っ人!?」

地面が突然、ぼこぼこと揺れだした。

「どぉぉぉりゅぅぅぅ!!」

なんかでてきた――――――!!

僕は目を真ん丸に見開き、出てきたポケモンを目を凝らしてみる。

「…よう、俺はドリュウズ!!とりあえず助っ人だぜ」

「潜る天才」

アグノムが一言で彼の長所を言った。

「よろしく」

手を差し出された。

「あ、ヨロシクおね(殴

殴られたぁぁぁぁぁあああ!

「いたぁい・・・」

「敬語なんて面倒くさいからタメ語でよろしく」

「あ、うん!!」

こうして、ぼくとドリュウズは握手を交わした。

てかそういうことでふつう殴るかなぁ…



















「…暗いなぁ…」

「光るポケモンいればよかったね」

「なんか俺もうほとんど役立たずじゃないのか?」

「気のせい気のせい」

それは薄々僕もこの暗く長い道を行く中で考えていた。

どうせ岩タイプとか地面タイプ出てきてもぶっちゃけ効果はいまひとつであんまり効果ないし…

ドリュウズだもんね。

なんだこれ。

「…お…なんか光が見えるぞ」

「いやぁーーー、あれは多分…」























光っていたのは、ギラティナの体であった。



















「こんなところにギラティナとかいるって知らなかったの!?」

「知らないよ!!」

「どこにいるかわからないもんだろ」

「知らないよ!!」

「…おおおお、なんか来るよ」

「しら…」

さぁどうなる、次回、ギラティナと正面衝突!?

「…はぁ…」

みんな静かに寝息を立てて…と入ったものの苦しそうにだが、だれ一人起きない。

僕だけ暇というこの無駄な時間を過ごしながら、僕の頭の中にいろいろな声や出来事が入ってくる。

人工呼吸でツタージャの一命を取り留めたはいいけど…

どうして、どうして僕はエテボースを裏切るようなことを…

でも、僕はエテボースのことたぶん大好きなんだよね…

あぁ憎い。

恋愛に疎い自分が憎いわ。

もう、なかったことにしちゃおう☆僕はポジティブシンキングということで、さらりとなかったことにすることにした。

大丈夫だ。

誰も…ん?

そういえばオーキド博士は見てたよ…ね?

まぁ言わないさ、大丈夫大丈夫…

僕はポジティブに生きることにした。


















次の日起きたらみんなの顔に赤い点々がたくさんたくさん…

「うわぁあぁあああ!!なんなんだよこれ!!」

僕は大声を上げた。

僕にも赤い点が一つ…と思ったらニキビだった。

くそぉ…でも僕はまだ肌が若いということにしておこう。

腕が不自由だと何一つ満足にできない。

もういいや…特訓でもしに行こう。




















アクアブレア病なのはわかってる。

しかも聞いたところによればこの病気は一度かかったらなおすのが困難であるらしい。

つまり、不治の病だともいえるのだ。

そんなの嫌だよ。

でも、そういう病気なのだ。

仕方がない…。

水鉄砲の威力も、アクアジェットのスピードも…何もかもが落ちていた。

でも、それ以上に落ちていたのは、自分の心身の状態であった。

今、僕の体の中は不安定なのだ。

何だか、つらい…。

どうしよう…

僕は、空を見上げた。

みんなが治らないかなぁ…

早く治らないかなぁ…

みんなとしゃべりたいし、バトルもしたいし、昼寝したいし、ご飯食べたいし…

謎の病気によって、日常を奪われたような気がした。

でも、自分には闘志というものがないのか?

今、何も戦おうとかそういう気持でもない。

何のために特訓に来たのか、逆に自分に聞きたいぐらいだ。

もしかして、僕は逃げてきてしまったのではなかろうか。

病気という困難、苦悩から。

そんなんじゃだめなんだ…

みんなのために、できることをしなくちゃ…!

その時、茂みからガサガサ、と音がした。

「なんだろ…え?」

突然、口を何かに覆われた。

そして、僕は、茂みの中へ…それどころか、研究所から少し離れたところにある静かな洞窟へと連れていかれた…。
















目が覚めると、

「あ、目ぇ覚めた?」

これ、見たことあるポケモンだなぁ…。

何だっけ。

「“fighting spirit”ってどういう意味だっけ」

「…闘志じゃなかった?」

「そうか、それかぁ…」

そして、僕は聞いた。

「君は誰なの?」

「僕?僕はアグノム」

「えぇぇぇぇぇえええええ!?」

「リッシ湖で、僕のこと見えたでしょ?君のことも覚えてたよ」

「うそぉぉぉぉぉぉおおお!?」

「そんなにびっくりしなくてもいいじゃない…」

どうしてここにいるのか、と聞こうとした。

そしたら、

「僕がここに君を連れてきたのは、君を助けるためだよ」

「ぼ…僕を…??」

相当悩んでたでしょ、とでもいうように、

「君を、苦悩のどん底から引っ張り上げるためさ」

「苦悩のどん底…」

その瞬間、僕の頭の中には、さんざんの言葉がよぎった。

人工呼吸のこと。

謎の病気のこと。

自分の弱さのこと。

自分への憎しみのこと…

「…苦悩のどん底に、僕はいるんだね」

「でしょ」

「じゃあ、どうやって僕を苦悩のどん底から引っ張り上げるのさ?」

「此処の近くにまた更に大きな地下道っぽいものがあって…その下にね、願いをかなえる滝があるんだ」

「願いをかなえる…」

「昨日から今日にかけてあった出来事全部を取り消して、いつもの日常に戻すために」

「戻す…」

僕は、決意した。

必ず、みんなを救う!!

そういうわけで僕は薬草のあるといわれる谷に来たのだ。

というか幻の薬草ってなにー!!

図鑑だけ持ってきて、一生懸命探した。

「邪魔だ邪魔だ、どけどけぇ」

などと通行を遮られることもしばしば。

何処にあるんだ…すごい薬は!!

気が付いたら、エアームド達に追い詰められて、谷から落ちそうになっているベタな展開に。

「えぇい、もうヤケだぁ!」

とか言って、谷から落ちてみる。

あぁ…何もなかったなぁ。

僕の人生は、サトシ色だった…

黒い目の、サトシ色だった‥

それがどうよ、今や茶色い目のサトシじゃないか。

何もかも忘れてるような瞳だから、僕は悲しい顔して、静かに谷から落ちていけるのかなぁ…。

いや、自分から落ちたんだ☆

そして、僕はふかふかの何かの上に落ちた。

薬草だった。

なんと、図鑑とまったく同じ薬草であった…。


















何とか救助してもらい、オーキド研究所でその薬草をすりつぶした。

そしてツタージャに飲ませた。

ここまではいいんだ。

でも、無事なポケモンは僕しかいない。

他のぽけもんが、突然元気になって、人工呼吸なんてできるわけない!!

でも…エテボースがいる…

僕はどうすればいいんだろう…

でも、オーキド博士は、お前しかいない、としか言わなかった。

僕は、ツタージャの口に自分の口を合わせて、人工呼吸をした…。




















そして、僕の頭の中が、真っ白になった。




















エテボース…僕はどうすればいいんだろう…


















次回、治らぬ病気にかかったみんなを、ブイゼルは助けることができるのだろうか!?

次回に続く!

「なんでこうなったんだ」

僕がつぶやいた。

その理由は…。












そう、ある朝。

いつもなら走っているケンタロスたちが、今日はいなかった。

あれ、どうしてだろう。

そう思って、僕はケンタロス約30頭ほどが詰まっている小屋を見に行った。

すると、ケンタロス全員倒れているではないか。

どうしてだかわからなくて、熱測ったらものすごく熱があって…小屋がすごく蒸し暑かった。

そして外に出て知らせに行く途中で、ドダイトスが寝ていると思ったら、ケンタロスと同じようにすごい熱が。

「どうしたの!?」

と僕は聞いた。

「…よく…分からない…」

ドダイトスはそういった。

さらに、ツタージャやゴウカザル、ドンファン、ベイリーフ、ヨルノズク、ピジョット、ゼニガメ、ピカチュウ、エテボース…

かなりの数のポケモンが、というか全員、ぼくを除いて謎の病気にかかっていたのだ。

「…さて、どうしよう」

苦しそうに寝ているエテボースやツタージャやゴウカザル…

みんな苦しんでるのに、なんで僕はこんなぴんぴん(といっても骨折してるけど)なんだ。

その時、ツタージャの熱は急上昇したらしい。

オーキド博士はそれに気がついて、治療室に連れて行った。

とはいうものの、ジョーイさんとかがいないから、何をするのかわからず、オーキド博士は電話している。

治療室の中で苦しむツタージャを見ているだけで、こっちも苦しくなる…

あれ?なんで僕はこんなにツタージャの心配を…

エテボースがいるのに。

エテボースだって苦しんでるさ。

でも…でも…

何だ、この微妙に不安定な気持ちは。

オーキド博士が受話器を置いた。

「…むぅ…これは…」

オーキド博士は僕をちらちらと見ながら、迷うような表情をする。

「どうやらこの病気、ほかの病気と重複してかかることはないらしい」

そうか、僕はアクアブレア病なのか。

更に骨折も。

だから一人だけ…

「ツタージャは、今のままでは死んでしまうんだが…」

そんなに重いの!?

何なんだこの病気…

「助ける方法がたった一つ…」

何だ…。

「幻ともいわれる薬草を刻み、すりつぶし、飲ませた後に…」

僕は唾をのんだ。

何を言われるんだ。

オーキド博士は、ぼそりといった。

「人工呼吸」

…え?

「ポケモン同士でないと意味はないらしい…」

…え…!?











次回、ブイゼル大苦戦の薬草摘み、そして…

「なんか転がってきたぁぁぁ!!」

僕が研究室に入ろうとしたら、大きな岩が研究室の中から出てきて、僕は追いかけられて…。

危機一髪外に出たら、足元にひもがあって、上からたるが落ちてきた。

ちょうどそこにエテボースが通りかかったからそっちに行こうとしたら、上から札束が落ちてきた。

金持ちになった気分でコンビニ行ったら札束偽物で。

コンビニの店員が警察官呼んで事情聴取されて。

なんかもう世界最強の不幸な男のオーラを出しながら街を歩いていたらチャリと衝突して。

浮き輪が破裂して。

歩き出したら突然石があってけっつまずいて膝すりむいて。

ばんそうこう持ってたはずなのになんかなくて。

尻尾があっけらかんに恐ろしく踏みつぶされて。

とつぜんなんだか車に乗せられて。

誘拐されて。

監禁されて。

縄で縛られて。

蹴っ飛ばされて叩かれて。

出血騒ぎになって。

血が鼻について血のにおいがして。

これはさすがにヤバいんじゃないのかと思って水鉄砲でぶちかましてどこかに行って。

外に出たら原っぱで。

深呼吸してたら有毒ガスすって。

お腹と頭と心臓と肺が痛くなって。

救急車で運ばれて。

研究所に戻ったのはもう夕方で。

疲れて帰ってきたら足にまた紐があって。

引っかかって上からたるが落ちてきて。

僕は疲れすぎて倒れた。
















「…あ、目ぇ覚めた?」

「うぅ…」

「ボロッぼろだなおい」

「そうですねー…」

もう僕には何の気力もなかった。

疲れがピーク&酸欠。

「痛い…」

「そうそう」

みんながにやにやしながら言った。

「ハッピーバースデーブイゼル!!」

「…へ?」

そういえば、今日は僕の誕生日だったな…

みんなが飛びかかってきた。

てかドダイトスまで!?

「ギャァぁぁぁぁぁあああああ!!」




















最終的に、僕は骨折した。

誕生日に骨折してしまった僕は、腕に包帯ぐるぐる巻きという状況である。

「ごめんブイゼル」

「悪気がないのはわかってるからいいよ…」

ドダイトスまで僕に乗ってくるとは思わなくて。

「痛い痛い」

最悪の誕生日だった。

ケーキもろくに食べてなくて…。

テンション下がりまくりだって。
















「あ、雨だ」

ドダイトスがつぶやいた。

ケンタロスたちは小屋へと戻っていく。

「…ほやぁあああ」

僕は一人テンションが上がっていた。

さっき下がったのに。

僕は外に出た。

というか、もう体が動いた。

「…雨だぁぁあああ!!」

テンションマックスでゼニガメやキングラーとともに舞い上がっていた。

そこにミジュマルが加わって、さらに盛り上がって…。

他のタイプのポケモンたちは、静かに、冷たい目で、こちらを見ていた。



















「そういえば、梅雨だったね」

「もうそんな時期かぁ」

何て梅雨らしい会話をして、

「雨といえば、やっぱりアニメの第一話のピカチュウとサトシの出会いだよねー」

おいおいおいおいどういう話行ってるんだ。

突っ込んでしまった。

「そうだよね、あれは感動的だね…雷までなったけど」

「もうあれは最高だったよ…今ピカチュウ十何歳だっけ」

「実際年取ってないんだよねー…うらやましい」

なんて話まで。

アニメの話に行くのはやめろ、と僕は心の中で突っ込んだ。


















次回から、オーキド研究所で病気がはやる…!?

久々の連続もの!!

ブイゼルのとった行動も注目!!

次回もお楽しみに!!

「ブイゼル…ちょっと助けてほしいんだけど」

僕がツタージャに呼ばれたのは、こういう理由であった。

「な、なにこれ!?」

研究室にラッタがいっぱい!?

「ちょちょちょ・・・何でこれあふれてるんだよ!!」

「なんか知らないけど、裏口のドアが開いていたらしくて…」

「えぇぇ、これ結構大変じゃない?!」

「そうね…どうやって追い出せばいいのかしら」

ツタージャが真剣に考える。

「…どわぁい!!」

ラッタが僕に飛びかかってきた!!

「ちょっとおいお前離してくれよ!!」

「離すもんか」

「ちょっとぉ~…」

えらい迷惑な話だな。

しかもここに三十匹ものラッタがいる。

オーキド博士だったらどうするんだろうか。

「ブイゼルブイゼル」

ゴウカザルが入ってきた。

「これはどういうことなんだ?」

「ごめんよくわかんない」

「…もうなんなんだよ」

ラッタがいろいろかじりだして…っておい!!

「モンスターボールかじらないでくれよ!!つーかそれ僕の!!」

「…どうする?」

「…そんなこと言われても…」

さらに。

「ねー、ポッポ入ってきた!!」

「もうやだよ何でこんな初期のポケモンいっぱい入ってくるんだよ!」

「…いーやーーーー!!」

ツタージャが絶叫した。

いわゆるふんというものをかけられてしまったからだ。
























「何とかしようか」

「そそそそうね」

ツタージャは震えている。

ポッポにおびえているようだ。

「じゃあ、もう俺寝てきていい?」

ゴウカザルが言った瞬間、ツタージャと僕は両方から平手打ちを食らわした。

「もうやめようそういうの」

ほっぺたを抑えながら、

「じゃあもうブイゼル頑張れ」

そういうなり、走って退散した。

「逃げやがった」

「じゃあもうふたりでがんばるしかないか」

ラッタとポッポの排除に数時間かけた。


















めんどくさかった。

それ以外、なんでもない。

ツタージャは、なぜか僕の視界の中にいた。

見ようと思っているわけでもなく、でも、なぜか。

今は研究所の室内にいる。

ちょうどケンタロスたちが走る牧場的な何かがとってもよく見える場所だ。

ちなみにほっぺたの痛みが引かないから、僕は今ほっぺに湿布を貼っているのだ。

それでもまだ痛い。

治らないから困るんだ…

その時だった。

僕の心臓が、突然、ドクンと大きな音を立てて動いたのは…

「痛っ!?」

急に頭がふらついた。

何だこれは。

目の前のものがどんどん数を増やす…。

そして僕の目の中はぐちゃぐちゃと何かが映っているだけだ。

もう何も見えない状態に陥った。

ドサリ、と大きな音をたてたかどうかは知らないけど、僕は突然意識を失った。

「ブイゼル!?」














これは何の病気なんだろう…。

意識が少しずつ戻ってきた。

「…ん…」

目を覚ましたら、サトシ、ピカチュウ、ゴウカザルがいた。

「おいおい大丈夫かよ」

ゴウカザルが言った。

「…うん、なんとか…」

また心臓がドクンと音を立てる。

「…うっ…」

自分の呼吸が荒くなるのを感じた。

「…エテボースとかはいないの?」

「さぁな…そういえばさっき、ツタージャとどっか行ってたぞ」

「え?」

「よく知らないけどな」

何でエテボースはツタージャを連れてどこか行ったんだ?

気になるけど…

心臓は、ドクンドクンと痛みを増していく。

もうさすがに倒れこそしないけど、歩くには無理がある。

「なんなんだよこれ…」

「俺もわかんないけど、一応オーキド博士が調べてるから」

ゴウカザルがほほ笑んだ。

「ブイゼル、あんまりムリすんなよ」

サトシは部屋を出て行った。

「なんでいきなり倒れたんだか…心当たりない?」

「心臓がズキってなって、そのあと何も見えなくなったんだけど…」

「…オーキド博士を信じよう」

それまで僕はベッドから出ることを禁止された。(ゴウカザルによって)


















一方エテボースとツタージャ。

「ねぇ、どういうつもり?」

「は?」

エテボースの問いかけに首をかしげるツタージャ。

「あたしとブイゼルが付き合ってることも何もかもお見通しなんでしょ?じゃあなんでブイゼルと接近するの」

「はぁ?何言ってんのよ…私は第一スパイでも何でもないのにお見通しとか言われても困るわ。それに、付き合ってることも知らないわ…というか、今知ったんだけど…」

しまった。

エテボースはついに、二人の秘密をツタージャに話してしまった。

といっても、ゴウカザルも知ってるけど。

「…じゃあ何で近づくのよ」

「境遇が同じだから…といっても過言ではなさそう」

そういうなり、ツタージャはエテボースのもとを去った。

境遇が同じ…

それは一体、どういうことなのだろうか。

それは今後、明らかになる!!

















次回、ブイゼルの病名が発覚&ブイゼルの頭の中が大変なことに、と悲惨なブイゼル祭り!!

お楽しみに―★

「…アクアブレア病!?」

何でこんなもんにかかってんだろうか。

そしてこのアクアブレア病というのは、体内の水分が減り気味で、水タイプの技が出しにくくなってしまうという病気だ。

要するに、僕は病気にかかって弱くなったのである。

しかもこのアクアブレア病というのは進行すると下手すると水タイプのポケモンにとっては死に至るとも聞いたことがある。

作者は主人公である僕に死亡フラグでも立ててんのかしら。

「なんでそんなに重い病気に…」

「でも軽傷らしいから、できるだけ安静にしとけ、だとさ」

心臓が痛くなったのはそれなのか。

(ちなみにアクアブレア病は実在しません、たぶん)

















朝。

「ブイゼル朝だぞー」

僕は普通に起きたつもりなのだが。

手が見えない。

体も見えない。

見えるのは…浮き輪だけ!?

「おいブイゼル…うそだろ!?」

起こしに来たゴウカザルは凍りついた。

「なんで浮き輪が浮いているんだよこれなにー!!」

みんなが部屋に押し込んできた。

「え?え?なんでこれ浮いてるの?」

ピカチュウが不思議そうに僕の首を見る。

「よくわかんないよぉ…」

僕がつぶやいたら、

「ブイゼルの声が聞こえた!!見事に浮き輪だけ残してどこかに隠れてるんだな!?びっくりさせようったってそうはいかんぞ」

「だから違うって」

そしてみんなは僕の声を完っ全に無視して僕を探し始めた。

ここにいるのに。

もうやめてくれよこれはなんなのさ。

















この無謀な捜索作業は打ち切られた。

「むむむ…どこにいるんだホントに…さっきのは神様の声なのだろうか」

「だからここに…」

自分の手を見た。

「あ、戻ってきた」

「おいおいおいおい待て待てほらほら此処にブイゼルのちぎれた手が…」

「え!?ブイゼル殺されたの!?うわぁ~んブイゼル」

誤解しすぎだよいい加減気づいて!

その瞬間、僕は元の体に戻った。

「あれ、生きてた」

「もう何でこんな目にあってんだよ…」

僕は具合が悪くなり、寝た。

正確には、いじけたのであった。



















次回、野生のポケモンがオーキド研究所で大暴れ!!

次回もお楽しみに。

「ツタージャ、もうご飯だよぉ」

ピカチュウがツタージャを呼んだ。

「わかった」

それにしてもあのツタージャ、ヤケにツンツンだよなー…

デレがないというか。

しかし僕は見た。

ツタージャのデレを。(そんなにすごいことでもないんだけど…)

「おーいツタージャ、ご飯食ったら練習しようぜ!!」

サトシに呼ばれた時のツタージャは、満面の笑みで

「タジャ!!」

と答えたのである。

あ、デレたな、と僕でもわかった。

「そうだ、ブイゼル、お前も久しぶりに特訓しようぜ」

「…ブイ」

とりあえず返事だけはしたんだ。

でも、何で僕なんだ。

草タイプとか相性悪いしほっぺたまだジンジンするんだよね(前話参照)

さぁどうしようか。

まぁ、やってみようかな…

















「よしっ、ブイゼル、まずはソニックブームだ!ツタージャは俺の指示なしで攻撃していいぜ」

「タジャっ!!」

昨日のお返しをしてやりたいところだ。

「ブイブイーっ、ブーイ!!」

多分アニメとか見てたらわかるでしょ、僕ソニックブーム出す時結構こういう声出すもん。

そしてそれを連発。

みだれソニックブームは、ツタージャに二回ぐらいヒットした。

「まぁまだまだだからな」

サトシが注意を促すような感じで僕に言う。

そしてツタージャはリーフストームを繰り出した!!

相当レベル高いよねこの人。

さて。

僕も久々本気モードに入ろうかな…

「ブイーっ!!」

「水の波動プラス冷凍パンチ!!」

「でぇぇぇえええい!!」

水の波動を冷凍パンチで壊して自分の身をガードする防御技を、とっさに編み出した。

「おぉやるじゃんブイゼル!!」

「ブイ!!」

リーフストームを全部はじき、

「冷凍パンチ!!」

「ブイブイーっ、ブイブイ!!」

何言ったのかは僕にもわからないけど…

とにかく、僕はツタージャに冷凍パンチを当てて、勝利したのであった。

「さすが、やっぱり強いなお前は!!」

「…」

そのことに関して僕は黙った。

強いかどうかはまだよくわからないんだ…

とりあえず、昨日の仕返しはできたのである。

ちなみに、まだほっぺたは痛かった。

「おーいブイゼル…」

「なんだよぉ~」

「お前、どうしたの?」

「…ふぁぁ~」

人の話ぐらい聞けよ。

あ、いつもとポジションが違う。

いつもならおれがぼけてこいつが突っ込むのに…。

じゃあ俺がぼけてみたらどうなるだろう。

「頭が痛い頭が痛い」

ギャグを始めた。

一人ギャグである。

「おーいブイゼル頭痛い助けて―何でこんなに痛いのかな―雨でも降るからかなーお前のせいかなーそれとも俺のせいかなーそれともやっぱりお前のせいかなー…」

このくどいギャグに突っ込め!!

しかしブイゼルは、

「あぁー何やってんだよ一人でこっちは寝たいんだよ寝かせろや―――グーグー」

寝言?

寝言!?

きっとこれは重大な事件だ。

ピカチュウに相談しよう…。














「え?ブイゼルが壊れたの?」

ピカチュウも驚いた。

「冷静な時は冷静だけど突っ込むときは突っ込む自由な野郎だもんなー…でも、怠けるときは怠けるっていうのもあるかもしれないね」

「なにその冷静な推理」

「…じゃなかったら、遠く離れた地球という星にはナマケモノという動物がいて、そいつは木にぶら下がってずっと動かないんだとさ」

「物知りだな」

「だからもしかしたらナマケモノ化してるのかもしれないね」

「なにそれ―!?」














ピカチュウを連れて、ブイゼルのところへ向かった。

「すぴーすぴー」

壊れてるんだな、ということを悟ったピカチュウは、大きく深呼吸した。

「十万ボルト―!!」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

突然攻撃した。

しかしブイゼルはうんともすんともしない。

ただ黒く焦げてるだけ。

しかし起こりもしないブイゼルを見て、俺たちは顔を見合わせ、冷や汗をかいた。

もしもこいつ戻らなかったら地球の動物園送りになる可能性もある、と。

もしもこいつに毛深い毛でも生えてきてホントにナマケモノになったらどうしよう、と。

ちょうどそこにツタージャが通りかかった。

「あ、ツタージャ助けてくれない?」

ピカチュウが言った。

「いいわよ…で、何すればいいの?」

横たわってぐーたらしてるブイゼルを見て、ツタージャは変なものでも見るかのような目線でピカチュウを見た。

「こいつを起こしてほしいんだ」

「いいわよ」

やってくれるのか。

なんか意外と何でも引き受けるのかこいつは。

「ツルのムチ!!」

これは痛い。

さすがに痛い。

「いたたたたたたたたたたたたたぁぁぁぁああああああ痛い痛い痛い痛い!!」

完全に目が覚めたらしいが、ブイゼルのほっぺたはもはやたんこぶより赤くはれている。

「痛いわぁぁ!!」

戻ったのかこいつは。

「おお、やけにほおばってるなお前。何食ってんの?」

ためしにボケた。

「…ほおばってないって…これは…」

「ツタージャの愛だよ愛愛」

「違うってばー!!」

いつも通りだな。

ツタージャは少々笑みをこぼしていた。

む・・・こいつなかなか笑わないツンデレちゃんだと思ってたんだけどなぁ…

笑う時は笑うんだな。

いつも通り、ブイゼルは怠けなくなったとさ。

「おーい、ブイゼル―!!」

僕を最初に捕まえたトレーナーは、初心者だった。

しかしとても仲が良いコンビであった。

みんなのことを第一に考える、優しい人であった。

「ご飯だよー」

料理の腕は一流で、いつもおいしいご飯を作ってくれてたっけ。

しかし突然、彼はいなくなったのである。

僕だけを残して。

理由は、火山の噴火に巻き込まれてしまい、山で遭難してしまったからだ。

サトシとの旅を続けている間にも、そいつと遭遇したりもした。

けれど、もう、顔には…

僕のことを忘れてしまっているとしか言いようのない、あからさまにひどい目つきで僕を見ていた。


















次に僕を捕まえたのは、ちょっとナルシの入った人だった。

けれどトレーナーとしての腕は一流、ポケモンリーグでもじゃんじゃん勝ち進んでいけそうな人だった。

僕は最初のトレーナーとの突然の別れをまだ受け入れきれていなかった。

しかし、この二番目はきっと大丈夫。

そういう風に思ったのだ。

でも、それはすぐに風に流されるように、僕は川に捨てられた。

「お前は不必要だ」

そういって、モンスターボールから出された。

その時の屈辱、憎しみ、すべてが僕に強さを求めた。

だから、聡・光と出会うことになるあの川で、特訓を続けたのである。
























もっと強く。

それが僕のモットーであり、生きがいであった。

崖のぼりは楽勝。

ジャンプは10メートル。

なんでもできるようになりたい!!

それが、ぼくをずっと押し立てていた。

そして、ヒカリとの出会い。

最初はもちろん嫌だった。

だって、二回もトレーナーに見捨てられたんだから。

言うことを聞く気もなかった。

いうなれば、反抗期のようなものだ。

でも、ドータクンとのバトルでぼろ負けして、そのあとロケット団に捕まった時に、僕はいろいろなことに気が付けた。

それがなんなのかはよくわからないけど…

でも、何かが変わった。

それから後、僕はヒカリに徐々に心を許していった。

そして、エイパムとの交換。

サトシとともに、高みを目指して頑張れた。

ヒカリの時には出ることなく終わったコンテストにも出たり…

シンオウリーグでも、自分のベストで戦えた。

だからここに僕がいる。

そのことを、忘れないまま生きていこう、と僕は思った。

















「ふぁ~…眠いなぁ」

横に、ゴウカザルがひょっこり現れた。

「おぉ睡眠不足かよおい」

「そういうゴウカザルだって眠そうじゃんか」

「いや、俺はちゃんと9時に寝て7時に起きる」

「小学生じゃん」

何て会話をしたが…

今、ギャグの嵐が、ぼくに吹き寄せようとしていた。



















「おいブイゼル、どうしたんだ!?」

これはある日のこと。

僕が、動かなくなった。

「おいブイゼル、ブイゼルってば」

「なんだよぉ~もう少し眠らせてむにゃ―」

さて、ぼくに何が起こったんでしょー。

次回に続く!!

「たのしみだな~」

「ぴか、ピカチュウ」

一人と一匹が、足取り軽く、オーキド研究所に向かっていた。













「だーかーらーそれ俺のポフィンだって!!」

「いや、俺のだ!!」

またまたピジョットとムクホークがエサの取り合いをしていた。

「やめて―もうやめて―何でこんなことするんだよやめて―!!」

その喧嘩に巻き込まれていた…というかもうほとんどいじめ状態に陥っていた僕。

蹴っ飛ばされ翼はぶつけられ頭ぶつけて大騒ぎ。

痛い痛い痛い!!

「やーめーてー!!」

突然言われたものだから、びっくりした。

「…あれ、ピカチュウぅぅぅ!?」

そこに立ってたのは、まぎれもなくピカチュウ。

「あれ、帰ってたの?」

「うんそうだよ…イッシュ地方のみんなもいるよ」

「へぇ~…どんなのいるの?」

「まぁサトシから教えてもらいなよ」

みんなはピカチュウの後ろを見た。

サトシがいた。

みんなで一斉に飛びついた。

サトシは気を失った。

何故ならドンファンもドダイトスもゴウカザルもみんなみんな飛びついたからで、腰の骨が折れかけたからだ。

















「これが、イッシュで俺が手に入れたポケモンたちだ」

もうよくわからん。

僕の目についたのは、ラッコみたいなのと鋭い目つきのやつとメタボリックなブタ。

それとサングラスかけたワニ。

「これが俺の手に入れた新しい仲間だ」

サトシがそう言った。

ラッコみたいなやつ…ミジュマルというそうだが、見るからにドジそうな顔してないか?

鋭い目つきのやつ…これはツタージャっていうのかな。

なんかすごく…目ぇデカくない?

メタボリックなブタっぽいの…チャオブーだっけ?この人顎あるの?

あとグラサンのワニ…これ何ていえばいいんだろう…

言葉にできない。

「とっ、とにかく…これがサトシが捕まえてきたポケモン達なんだよね?」

みんながインパクトの大きさに打ちのめさせて言葉を詰まらせながら聞いた。

「そうだよ」

ピカチュウはうなずきながら言った。

「じゃあよろしく、ということで」

「あぁ」

…変だな。

このツタージャ、なんか変だな。

何か…メスだけど、キャラかぶって…

「なにじろじろ見てんのよ」

「へ?」

「こっち見ないで」

単刀直入に言うなこの人。

そんな様子を見てエテボースが不安そうな顔をしたのはわかっていた。

「じっ、じろじろなんか見てねーよ」

「じゃあ何か用?」

「そういうわけじゃなくて…」

サトシはなんでこんなに強そうなポケモンを捕まえたんだ?

「ツタージャは、前、トレーナーと別れたんだよ」

「なんだそれ」

ピカチュウからの耳打ち。

ツタージャ…かぁ…

少々その生きざまに(恋愛対象としては見ていないが)興味がわいてきた僕であった。

















そういえば、ぼくも捨てられたんだっけ…。



















次回、作者が勝手に予想したブイゼルの過去をお送りします。

鼻の上に何かが降ってきた。

僕はそれで勝機をつかんだ。

「お、雨だ」

ドダイトスが空を見上げた―――

そうだ。

僕にはすいすいがあるんだ!!

ジュカインに効くのは冷凍パンチのほかない!!

確かいつか聡と一緒にバリヤードと戦った時も、それで冷凍パンチの威力が上がった…

それだ、と思い、

「勝機がみーえた」

といったのである。

にやり、と僕は笑顔を見せた。

それはきっと、宣戦布告のようなものだろう。

「アクアジェット!!」

僕はジュカインへ向かって真っすぐ突っ込んだ。

「効果はいま一つなのに何でだ!?」

ドダイトスがそうつぶやく。

これはフェイントだ。

攻撃を仕掛けているわけではなかった。





アクアジェットのスピードは上がり、ジュカインの目の前に来て、

「冷凍パンチ!!」

ジュカインの腹にその威力の上がったパンチを食らわせた…













「ハードプラント!!」

ドダイトスは、キングラーにダメージを与え続けていた。

キングラーには効果抜群の技であった。

「とどめだ、葉っぱカッター!!」

キングラーに、回転する葉っぱが数百枚、飛んでいった―――














「キングラー、ジュカイン、戦闘不能!!よって勝者、ブイゼル&ドダイトスチーム!!」

僕たちは優勝してしまった……だからといって、別に何があるとかそんなの知らないよ。

トロフィーもなければ優勝旗もなければ賞品すらない。

でも、ドダイトスには無くて僕にはあったものがあった。

「やったね~♪」

エテボースのハグとキスであった…

ってなにこの展開ぃー!!

ふっざけんなぁー!!

ドダイトスはどういうことだ、という顔をしていたが…

まぁ仕方ない!!

とにかく、勝ったんだ…。


















こんなくだらない大会で流血騒ぎになったので、もうその大会は行われることはないだろう…























次回、サトシが帰ってくる!?

お楽しみに~

「さぁー決勝戦です!!ついに決勝戦!!」

実況役になったリザードンもめちゃくちゃヒートアップしている。

「さぁー、ブイゼルチームに対するは…これまで素早さと強さで相手を翻弄してきた…」

「ためるなよ、さっさと言え!!」

「ジュカインとキングラーチームです!!」

「どうもどうもー」

超軽いノリで登場したのは、失恋王wジュカインと、スーパー拳wwのキングラーだ。

確かに結構強そうだけど…。

「さぁ、両者フィールドに入ってください!!」

この間ケンタロスに角で突かれたから、頭に包帯を巻いた状態で試合に出ている。

そして僕とドダイトスは、フィールドに入った。


















タイプはかぶってるけど、どちらかといえば素早さ的には僕たちの方が不利!!

だってジュカインは草タイプの御三家の中で一番速いのだから。

それに対して防御は高いがスピードがノロいドダイトスでは結構危険かもしれない。

キングラーは何よりも攻撃が圧倒的だ。

僕は多分競り合えば負けてしまうだろう。

「それでは、試合開始!!」

ホイッスルが鳴った。
















「クラブハンマー!!」

突然飛んできたクラブハンマーが頭に直撃した。

「いたっ!?」

頭の上にたんこぶができてもう破裂するんじゃないのか、というほどの痛みが走る。

「…どうしよう…」

痛い頭を抱えながら、戦略を練ろうとすると。

「リーフブレード」

気が付いたらジュカインがいて、攻撃を食らった。

やっぱり、速い!!

僕はすいすいを使わない限り素早さは上がらない…ん?

僕は顔を上げた。

そして、つぶやいた。

「勝機がみーえた」



















果たしてこのバトル、ブイゼルたちは勝てるのか!?

次回、バトル大会編クライマックス!

粘りと闘志(後篇)

2012年07月07日
「アクアジェット!!」

「ハードプラント!!」

僕が考えた作戦により、まずケンタロスをノックアウトした。

「これでやっと一匹か」

「体力使うなぁ~」

これでもかなり体力を消費しているのだ。

残るはカビゴンだけ…

ってカビゴン寝るな!!

何で準決勝で寝れるんだよ…。

あ!!

そういえば超単純な技で「眠る」ってあったな。

そんなに体力消費してないはずだけど…

突然カビゴンが起き上った。

「冷凍パンチ~」

ゆるいな。

でも威力は十分…!!

「冷凍パンチ!!」

とっさの判断で、僕も冷凍パンチを繰り出したのだが。

「うっ…ぐ…!?」

パワーは圧倒的にカビゴンが上で、僕は吹き飛ばされた!!

「あっちも覚えてるのかよめんどくさいなぁ…」

「結構不利だな」

「破壊光線!!」

「水でっぽ…あれ?」

僕の口から出たのはもはや水鉄砲ではなかった。

なんと、普通にハイドロポンプだったのだ。

破壊光線をめきめきと割っていき、カビゴンに当てた!!

「なんで?ブイゼルじゃ覚えられないはず…」

「よかったな」

ドダイトスはそれだけ言って、

「リーフストーム!!」

とカビゴンに着実に技を当てていく。

実は僕の作戦とは、眠らせる暇を作らない、という類のもの、そして威力の高い技でガンガン攻めることであった。

「いけぇぇぇぇ!!!」

追加で僕の水の波動を送り出した。

そして、カビゴンは目を回して倒れたのである。
























さすがに渾身の水の波動でふらっと来てしまったが、何とか立って勝利をつかんだ僕であった。

「じゃああとは決勝だな」

「がんばろうね!!」

ドダイトスと僕は結束力を高めた。
























さぁ決勝!!

決勝も二つに分けてお届けします!!

対戦相手もお楽しみ★

粘りと闘志(前篇)

2012年07月07日
「さぁーいよいよ準決勝です!!」

審判・実況であるリザードンもいよいよヒートアップ中!!

「頭脳をこれまで駆使してきたブイゼルチームと対戦するのは、超パワフルケンタロスとカビゴンです!」

会場も大盛り上がり…って野生のポケモンまで観戦してるし!

ラッタとかニドキングとか帰って―!!

エテボースからは頑張ってー、という声援が聞こえてくる。

頑張るしかないか…。

「じゃ、行くぞ」

ちょっとノッテきたドダイトスは、ぼくを連れてフィールドに入った。


















「じゃあ準決勝開始です!!」

戦いの幕は切って落とされた。

「先攻はそっちからだ」

ケンタロスに言った。

そしたら、

「突進!!」

「うぉ!?」

超パワフルな突進。

間一髪避けたものの…。

「角で突く!!」

これが僕にとっては大ダメージであった。

エテボースが顔をこわばらせた。

「……うっ…」

額から血がぽたぽたと垂れた。

てか準決勝で…こんなバトル大会で血が垂れるってなんか怖い!

「…ブイゼル、上に乗れ」

ドダイトスの背中の木の中に入る。

「…地震!」

僕が受ける地震のダメージを軽減してくれた。

そして二匹に効いた。

ケンタロスはふらつくが、カビゴンはあまり効いていない。

「やっぱり格闘で攻めなきゃダメか…」

「まぁ、できることはやろうぜ」

カビゴンはただそこにたたずんでいるだけである。

「…どうしよう…!!」


















      カビゴンの得意技はメガトンパンチ

   
パンチとパンチでぶつかる?

                  ドダイトスと何か連携を…

            あ、そういえばなんか僕結構技覚えてたな

                          

                   まずはケンタロス邪魔だから消そう























頭の中で考えをまとめたブイゼル!!

さて、この体力を全然消費しないいかついカビゴン、どうする!?

炎と草と水

2012年07月07日
「三回戦開始★」

そして始まった三回戦。

「じゃあ先攻はそっちから」

「…葉っぱカッター!!」

いきなり僕を狙ってきた!!

「やっぱり相性重視か」

「交わせ・・・・・」

マグマラシがつぶやいた気がした。

僕は交わしてしまった。

「…ロッククライム!!」

「え!?」

横から僕は攻められた!!

…いたた…

そこまで重度にけがしたわけではないが…

「体がしびれた…!?」

少しひるんでいた。

「葉っぱカッター!!」

「…やばいっ!!」

ひるんで動けない僕の方へ葉っぱカッターが飛んでくる。

終わりだーーー…。

その瞬間、僕の前には大きなドダイトスの体があった。

攻撃を全部吸収したのだ。


ドダイトスはにやりと笑う。

「意外と弱いかもな」

ひるみが取れた僕は反撃を開始した。

「水鉄砲!!」

そして続けて

「水の波動!!」

これでマグマラシはダウンしたわけなのだが…。

ベイリーフどうしよう。

「…もう仕方ない、冷凍パンチ!」

「レディーを攻撃するなんてやなやつね…ツルのムチ!!」

冷凍パンチとツルのムチ、相打ちになった。

そして、二匹が倒れ…。























「勝者、ブイゼルチーム!!」

結局またドダイトスが一人で喜んでいた。

僕は毎回立って勝利を受け入れてないな。

もういいや。

勝てたなら…。

そして、どんどん勝負は続く!!




















次回、ケンタロスとカビゴンの超パワフル準決勝!!

二回に分けてお届けする予定です☆

次回に続く!!

「くっそーめちゃくちゃ相性悪いじゃんか」

ドダイトスが肩を落とす。

何故なら飛行タイプの技は草タイプには効果抜群であるが、ドダイトスのもう一つのタイプである地面も通用しないのだ。

こうなったら僕が冷凍パンチで攻め込むほかない…

決心した。

「ドダイトス!!作戦があるんだけど…」
















こうして、僕らVS鳥チームの戦いは始まった。

「電光石火ぁ!!」

最初に攻めてきたのはピジョット。

何を仕掛けてくるんだ…?

「・・・と見せかけてブレイブバード!!…と見せかけての…」

ドダイトスと僕の頭に白い物体…。

「…やってくれるじゃねーか」

「くっさ!!めちゃくさい!!」

「てめぇせこいぞ!!」

「すっきりした、排便は大事だぜ!!」

「それを技にするなよ!!」

「まぁまぁ、バトルは始まってるしね」

結構苦戦しそうだな。

でも、ドダイトスもドダイトスでいい技を覚えていた。

飛行タイプに相性抜群の岩タイプの技…。

「岩雪崩!!」

これで結構ダメージを与えても、そう一筋縄で倒れるはずもなく…。

なんたってこれは最終進化系の二匹だから。

「じゃあ、あの作戦行くぞ」

「おぉ!!」

僕はドダイトスの肩に乗る。

そしてドダイトスが空に投げ飛ばした―――

「冷凍パンチ!!」

二匹に瞬時に攻撃を当てて、僕は二匹もろとも地面へ落下した。


























「勝者、ブイゼルチーム!」

やったねとばかりに顔を見合わせた僕らは、次の勝負へと駒を進めた。


























次は、マグマラシとベイリーフ!!

不利も弱点もありまくりだけど大丈夫!?

「…いやだよこんなバトル大会とかホントに…」

ボクはフィールドに立った。

ゴウカザルはずっと黙ってて空気を読み、エテボースはうつむき、僕もうつむき、そしてドダイトスだけが燃えている状態。

これどういう状況?

「負けるなー!」

いや簡単に声援とか送らないで下さる?

もうなんか余計なプレッシャーでござる。

あ、口調おかしくなった。

「先鋒はブイゼルチーム!」

ブイゼルチームじゃなくてドダイトスチームにしてよもう。

ほらなんか知らんけどエテボースのうつむき加減がもうなんかかわいそうになってきたから!!

「じゃ、じゃあ行くよーっ…」

僕は本気モードに変わった。

「アクアジェット―!!」

 僕は思いっきりゴウカザルに突っ込んだ。

ごめんゴウカザル!

間一髪アクアジェットには当たったものの体力を残したゴウカザルは、

「やってくれるじゃないかよぉ…火炎放射―!」

で、なんでそれをドダイトスにやるのー!!

「おいおい何してくれるんだよ俺の大事な気が真っ黒けの炭じゃないかよ」

ドダイトスがブチ切れて…

「地震!!」

てかなんで僕まで巻き込まれてるんだよー!!

まぁそう言う技ですけどー!!

ゴウカザルには効果抜群なので、ゴウカザルは倒れた。

ごめんゴウカザル。

ねぇ、僕はどうすればいいのさ…。

エテボースに攻撃とかマジ無理だから!

彼女傷つけないといけないなんて嫌だよ!!

エテボースを見た。

もう、なんかあの切ないあきらめてますオーラ出されてたらもう僕やっていけないからそれやめて!!

「…もういいよブイゼル…私に攻撃しても」

「いやいやいや、僕そんな勝利に執着してないから…気合パンチで、ぼくをぶん殴ってください」

「もういいよブイゼル…私に自慢の冷凍パンチやっても」

「じゃあ拳と拳でぶつかって決着しますか」

「そうだね」

そして二匹は同時にノックアウトしましたと。

一人空気の読めなかった背中が炭のドダイトスだけは「やったーカッター」とか言っちゃって…。

こっちはどういう気持ちで戦ってたと思ってんだ!!

こうしてあほなドダイトスに散々振り回されてくたばりかけた僕である。
















第二回戦は、ムクホークとピジョットチーム!!

ドダイトスにとっちゃ結構不利!!

どうなるのだろうかこの大会!

次回に続く!!!!!

バトル大会

2012年07月07日
ってなにそれ―!!」

タイトルを見て思わず叫んでしまった。

何でバトル大会!?

作者ネタ切れだろ!!

「タッグバトルらしいぞ」

「おぉ…どうなるんだろう…」

そんなわけで何故か僕はドダイトスと組むことに。

「よろしくな相棒」

「は…はぁ…」

タイプ的な弱点はお互いに補ったら結構強いけど…。

「じゃあ、まずは特訓な」

「えぇ…?」

サトシのノリを思い出した。















エテボースも参加してるらしいけど、だれと組んだんだ?

戦わないといけないのは実につらい。

どうにかドダイトスに残ってもらわなきゃ…

ってまだぶつかるか決まったわけじゃないし。

大丈夫大丈夫、きっとぶつからないから…。















といった矢先になんでかいきなりエテボースとゴウカザルとぶつかりました。

「ちょ…えぇーっ!?作者の思惑丸見えだってば!!」

どうしよう、もしも僕とエテボースの一騎打ち状態なんかになったら…

エテボースも結構おどおどしている。

ゴウカザルはうつむいていた。

ドダイトスは、

「よし、頑張るぞ!!」

…一人だけ完全に状況を理解していませーん。

アホがいまーす。

さぁどうなるこのめんどくさいバトル大会!!

ギャグあり笑いあり…になるといいけど。

次回に続く!!

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