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大切な人

「エテボース!!どこにいるんだよー!!」

みんなが避難してから、土砂にのまれているオーキド研究所の入り口に立った僕は、エテボースの名を呼びながら、必死に探していた。

「エテボースっ…げほっ」

叫びすぎて、声もガラガラである。

「エテボース…どこにいるんだよ…」

僕はあきらめなかった。

ソニックブームで土砂をはじきながら、少しずつオーキド研究所の入り口のドアを土砂から救う。

オーキド研究所のドアは開いた。

幸い、中はさほど土砂は入っていなかった。

「エテボース!どこにいるんだよー!!」

探しまくった。

何処にいるのかわからず、アテで探し続けた。

エテボース…エテボースっ…!!

一回、僕は止まった。

一回、頭の中を整理した。

そうだ、エテボースは…。

僕らが元に戻る前は、テレビとクーラーのある部屋にいて…。

僕はその部屋へと向かった。






















「どうしよう…」

一方エテボースは、その部屋にいた。

エテボースの手には、大きな袋があった。

しかし、閉じ込められてしまってから、外に出られなかった。

ブイゼル…。

そのとき。

「エテボース…どこに…はぁっ…」

ドアを開けたら、エテボースがいた。

エテボースが飛びついてきた。

僕は、ポンポン、と彼女の背中をたたくのであった。






















「いろんなトレーナーのモンスターボールを守ってたのか…」

僕はそういうことか、と納得した。

「もしもあのままだったら、土砂にのまれちゃうじゃん…。みんながせっかく一生懸命捕まえたポケモンなのに」

「…ごめんなエテボース…来るの遅くて」

「ううん…助けに来てくれたから…」

「…エテボース…」

ゴウカザルは、僕のようすを観にこっそりつけてきたらしいが、黙っていたらしい。




















土砂はみんなで撤去した。

そして、またいつも通りの日常が始まった。

「僕がさきだって!」

「先に俺がかけるの」

今はオムライスのケチャップをかける順番で争っている。

「…もう…アホだよみんな!!」

僕はそういいつつ、笑顔をこぼすのであった。



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