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「ねぇブイゼル、お願いっ!!」

ヒカリにバトルについて頼まれたのは結局焦げたカレーライスを食べた後であった。

いやだ、と断る気もなく、皿洗いはゼニガメとかに任せればオッケーだろ、ということで。

うなずいたのであった。


















二時。

約束通り、ケンゴがやってきた。

「バトルは2VS2だ。よろしく頼むぜ」

「いいわよ」

そうしてケンゴが繰り出したポケモンは、キノガッサとフローゼル。

対するヒカリは僕とポッチャマ。

「久しぶりだなぁ…」

「なんだよ」

「その性格何とかしろ」

軽く言い合い。

「じゃあ僕はキノガッサをやるから、そっちはフローゼル頼んだ」

「なんで僕がお前の言うこと聞かなきゃなんだよ!!」

ポッチャマが言う。

「うぅっるさぁいなぁ…」

僕は真剣なまなざしでキノガッサを観た。

確か、草、格闘…。

草なら、あの技がある!

「バトル開始じゃ」

オーキド博士が言った。

そのほのぼのとしたスタートではあったが、バトルは熾烈を極める。

「ブイゼル、ソニックブーム!!」

そういえばヒカリは僕が冷凍パンチを使えるということを忘れているのではないのだろうか。

「ポッチャマ、バブル光線!!」

低レベルだってお前は。

いつもいつも…

ソニックブームを繰り出し、そのまま冷凍パンチで攻めた。

「あ…忘れてた」

やっぱり。

「じゃあブイゼル、最大パワーで冷凍パンチ!!」

これでキノガッサは終わりでした。

「ちっ、フローゼルしかいなくなっちゃったじゃんか」

そしてケンゴのフローゼルが目の前に立ちはだかる。

「フローゼル、氷のキバ!!」

ポッチャマは終わりました。

フローゼル対ブイゼル!!ということ?

作者の思惑ばっちりだよこれ。

「アクアジェット!!」

「じゃあこっちもアクアジェット!!」

互角…かと思いきや、なぜか僕の方が優勢であった。

体力を、あの青い球体が結構ダメージ負わせたんだな。

青い球体やるじゃん。

そして、

「冷凍パンチ!!」

アンパンマンのアンパンチのような僕の必殺技は見事に急所にヒットし、僕は勝利を収めた。

「やったねブイゼル!!」

いや誰のせいだと思ってんだよ、やったねってなんだよ他人事みたいな。

でもまぁ、言うことは聞くしかないのであった。

なんたってポケモンなのだから。




















次回、キャンプ編もクライマックス☆ということで、キャンプの定番大冒険です!!

お楽しみに☆


「「「キャンプ???」」」

「なんか、みんなで行くらしいよ」

「うそー、楽しみ―」

みんなできゃいきゃいと盛り上がっていた。














キャンプ地に到着した。

「広いなぁ…」

きょろきょろしていた。

そしたら、

「あれ?川柳の人??」

ヒカリがいました。

「おぉ~、奇遇ですなぁ~」

オーキド博士が言った。

「そうだ!!ねぇ、川柳の人、私たちと一緒にキャンプしない?」

「…タメ語かい!!…あぁ、オッケーじゃ」

「やったー!」

そういう流れで今度こそキャンプ開始だ!!














炊事をやるのは僕とリザードンとベイリーフ。

テント貼ったりするのはバリヤードとかその他もろもろ…。

「よし、水入れたよー」

はんごうにたくさんの水を入れ、米を入れた。

そしてベイリーフが葉っぱを積み重ねる。

「じゃあリザードン、ここに火を―――」

次の瞬間、僕は真っ黒になった。

「真面目にやってんの!?」

「いや…だから…その…」

リザードンはもごもご口答えをした。

「はい、じゃあこっちに火を…」

次の瞬間、ベイリーフも真っ黒になった。

「ちょっと、何してくれるのよ!!」

「いや…だから…その…」

リザードンはまたもやもごもご口答え。

「ゴウカザル―!!」

結局ゴウカザルに頼みました。


















「おーい、ピカリー!!」

「ちがっ・・・あれ?ケンゴ!!」

一方ニンゲンサイド。

「…なんかすごいところで再会だね…」

「うん」

「おいピカリ、「だから違う!!」俺とバトルしないか?」

「え?でも今私ポケモン少ないし…」

「…じゃあ、そこにいるブイゼルとやってみたいな」

「えぇ!?…うん、いいけど」

「じゃ、決戦は2時にここらへんだ。逃げんなよ、ピ・カ・リ★」

「あーもう!!」

ヒカリはちょっと怒り気味であった。












「ご飯出来た…ちょいちょいちょいタンマタンマ!!」

飯ごうの中身は、真っ黒でした。

「…カレーが…」

「食べられないね」

がっくりと肩を落とした。

つーかこんなことポケモンに(さらにリザードンに)させるんじゃないよ!!

リザードンのせいで僕とベイリーふまっ黒焦げだっつーの!!

「…炊きなおそっか」

そして僕らは再びご飯を炊いた。

真っ黒になりながら。

「…あれ?ここどこだ?」

多分これは夢の中。

今自分はどこにいるのか…。

しかし、僕の視界に入ってきたのは。

柱にくくりつけられてるエテボース…ってなんでぇー!!

しかもその前にはヤミラミとかジュペッタとかニューラ、マニューラとか。

ラスボスは多分ダークライかな。

「たーすーけーて―!!」

んなベタなRPGあっていいのかよ!!

まぁ突っ込みはほっといて…。

とりあえず、助けといたほうがいいのかもな。

とりあえず冷凍パンチと水鉄砲とアクアジェットでその部下みたいなやつ倒したけど…。

何が起こってるんだろう。















一方、現実世界。

「ブイゼル、爆睡だなぁ…」

「空中に向かって拳突き出してるぜ」

「どんな夢だよ」

そのとき、

「ヤッホー★」

やってきたのはエテボースだった。

「あぁ悪いなぁ、こいつこの通り寝てるから」

「起きるまで待っとくよ」

「てかお前結構暇なんだな」

「試合ないもん」

「じゃ、ごゆっくり―」

「二人っきりにしないでよ!!」

バタリ、と二人っきり状態に。

「…」

何やってんだか。

どうしてこんな事に…。

寝顔をじっと見ていた。
















「冷凍パンチ!!」

ダークライに攻撃が当たった。

「己ぇ、お前の大事な人が死んでもいいのかぁ!!」

「僕は守るんだよ!!全部!!!」

「ダークボー…」

ダークライが何をやろうとしているのか判断が付いた。

かつて僕だって眠らされたさ。

でももうどうなってもいいよ!!















「エテボースは…僕が守る!!」

エテボースはびっくりした。

何の夢を…。

「…ん?」

目が覚めた。

目の前に、エテボースがいた。

「…あ、あれ?これも夢かなぁ…」

「どんな夢見てたの?」

エテボースが顔をキラキラさせる。

「…その…僕がエテボースを助ける夢…」

「…どんな夢見てんのよ…」

でもエテボースはもじもじしながらこっちを見ている。

「…あの…僕…さ…さっきの夢見て、分かったよ」

「え?」

「僕には、エテボースが必要なのかもしれない…大切で、特別な存在で…守ってやりたいんだ!!」

「…それってプロポーズ?」

「さぁ…よく分からないけど、きっとそうだ…えー、コホン」

「…?」

「ぼ、僕は、エテボースのことが…好きなんだ!!つっ…つき」

「もちろん❤ありがとう…」

「いやいや…これ、みんなには内緒だからな?」

「えぇもちろんわかってるけど」

















こうしてバカップル登場となりました。

VSザングース

2012年07月07日
「助けてぇぇぇ!!」

「どうしたのベイリーフ」

「研究所の敷地内にね、赤と白のおめでたい色したポケモンが…」

「ビリリダマかマルマイン?」

「いいえ…獣形」

「じゃあザングース?」

「たぶんそれ!!」

僕はベイリーフが焦って逃げてくるのを見た。

だから何があったのか聞いてみた…。

でも、ザングースといえば…。










「ゴウカザルさーん!!」

「どうしたんだよブイゼル」

「なんか…ザングースが来てるみた…あれ?ゴウカザルさん?」

「…その話やめろぉぉぉぉぉ、できれば俺はザングースとかかわりたくないんだぁぁぁ」

「…怖気づいてんのかよだっせーなぁ」

ドダイトスさんが来た。

「お前、前にロケット団にみんなが連れて行かれそうになった時、ザングース三体相手になぎ倒したじゃねーか」

「そ、そうだけどぉぉぉ…」

「お前なら大丈夫だって」

「そうですよ!!」

「そうそう」

みんなの励ましを受けたゴウカザルさんは何も言わずに、ただ、ニコリと笑って、走り出した。


















あわてて僕も走った。

一応、ゴウカザルさんの援護に…。

ゴウカザルさんは早速攻撃を食らったらしい。

「…助太刀しましょうか?」

「あぁ…頼む」

「火炎放射!!」

「水鉄砲!!」

しかしやはり2対3では不利。

ザングースたちは僕を一気ににらむと、

「ぐわぁぁぁぁ」

と叫びながら、ぼくをひっかいた!!

三匹一斉に。

更にかみつくまで…。

「……うっ…」

血が額に流れそうになっていた。

「…仲間を傷つけるなぁ!」

ゴウカザルさんが僕に代わってザングースたちのもう一回の引っ掻くを食らった!!

「これくらいなんともねぇ!!火炎車!!」

ゴウカザルは転がり転がり…。

ザングースたちに最後の一発。

「火炎放射ぁ!!」

そして、何とか立ち上がった僕が、

「冷凍パンチぃぃぃ!!」

三匹を一気に凍らせて…

肘をひねってアッパー状態!!

上まで飛んだ!!!

「…おぉ…やるなぁお前どこにそんな体力が」

「ちょっとヒートアップしただけです」

「ならいいんだけどぉ…」

そして、頭のけがをオーキド博士に直してもらってから、僕は去った。



















エテボース…。

僕、どうすればいいの?

この間の一件でも…

どうすればいいのか教えてくれないかな…。

僕は考え事をしながら寝た。

「ウワァァァアアアア!!」

「ギャァアアアア!!」

「いや待ってよ落とした木の実渡そうとしてるだけなんだってば何で逃げるの!!」

只今僕とフカマルは逃げ惑っている。

後ろからベトベトンが追いかけてくるんだってばぁぁあああ!!

「きーのーみ―!」

「じゃあ止まってベトベトン!!」

やっと止まった…。

「もうちょっと普通に渡してくれよ」

「え?僕普通だよ」

「あれのどこが普通だよ!!全力疾走してたじゃないか!!」

「許してよー」

ってなんで僕に飛びかかるのぉぉぉ!!

「いやっ…ちょ…おい…」

「ブイゼル!!生きてる!?今からゴウカザルさん呼んでくるから待っててぇー!!」

あ、フカマルどっか行った…。

てかお前明らかにゴウカザルさんの方向行ってねーじゃん!!

「…逃げやがった…」

僕は走りゆくフカマルを見て舌打ちをした。

後でばっちりお仕置きだな。

するとベトベトンが、

「ごーめーんー」

「なんかめっちゃのろまなナエトルみてーなしゃべり方やめろ」

「大丈夫かブイゼル―!」

あ、ドダイトスさん。

「なんかすごいことになってん直前…顔以外何もないじゃないかお前」

「……うぅ…重くて僕もう死にそうなんですけど」

「うんうん大変だなぁ…あ、助けてやるよ」

「ありがとうございます」

ケンタロスが背中に三十匹のっても余裕だったドダイトスさんが、ベトベトンを引きはがした。

「もうだめだからな」

「わかったぁー」














さらに事件が起こった。

「うわぁぁん、ケーキ落としたぁー」

「だからって僕に飛びつくのは…」

僕に抱き付いてるのはコータス。

かなり重い。

「…首いたいっ!!」

「だってブイゼル抱き付きやすいんだもぉぉぉん」

「うざっ」

「…おいブイゼル、お前も抱きついたことあるだろ」

「…え?」

「みんなで野宿の時に、お前アイツに抱きついてたぞ」

「え?」

ムクホークさんの発言に、僕はきょとんとする。

「ほら、例のこの間の」

「……やめっ…」

「「「「エテボースぅ!?」」」」

「たぶんお前爆睡してたんだろうけどな、たぶんエテボースの心臓バックバクだぞ」

「そんなことした覚えないけど!?」

「たぶん寝てる間にお前の体が勝手にエテボースに吸い寄せられたんだよ」

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「でもお前ヨカッタじゃないか…。」

「…もうやめましょうよこの話」

しかしこの後しばらくエテボースの話をさんっざん聞かされる羽目に。

コータスのバカァ!!

野生の○○が

2012年07月07日
「だから、それは俺のモモンの実なの!!」

「あまいもん好きなのかぁ…ダッサ」

「うっ、うるさい!!人には好みがあるんだぞ!!作者の持ってたダイヤモンドのゴウカザルだって、好きなものは甘いものだったぞ!」

「んなのかんけーねーだろ」

「半分こすればいいじゃないですか」

只今、キングラーとへラクロスが言い争いをしている。

甘い物好きのへラクロスがとったモモンの実をキングラーが横取りしようとしている始末だ。

そんで、僕は半分こしろ、といった。

だが。

「一個食べることに意味があるんだよ!!」

それで、またモモンの実を引っ張り合いだ。

パキッと音がした。

モモンの実がきれいに真っ二つだ。

「…あぁ…もういいや」

「すまん、キングラー」

「いやいや、悪いのは俺さ」

その時。

ドゴォォォォォォオオオオン・・・。

何の音だろう、と思って音の方向をみたら…。

「何あれ」

「ポケモンかよ…デカいなぁ」

「見たことあるぞ?」

僕は見覚えがあった。

あれは…あれは…まさか…。

「ギラティナ!?」

「ん?」

でっかい体で僕を直視するギラティナ。

「…えっと、ぼくです。サトシの手持ちです」

「俺も」

「俺も」

「俺も」

「おいらも」

…キリなくなるわ!!

「ほぉ…。」

「で、なんでここにいるんですか?」

「…まぁ、いろいろあって」

というや否や、ギラティナは攻撃を開始した。

ギラティナが攻撃した付近から黒いのが飛び出した。

…あれ…あれも見たことある…。

「ダークライぃぃぃ!!」

そうだよ、ダークボールのダークライだよ!!

忘れてないぞ!!

ヒカリにどんだけ心配かけさせたと思ってやがるんだ!

でも、突然、二匹とも消えた。

そういえばダークライは悪いやつじゃなかった。

アラモスタウン救ったんだよな…。

でもなんか嫌だ!!

暗いし、名前。

暗黒暗黒みたいな感じで…。

「ぼーっとしてんじゃねーぞ」

「このっ…リア充!!」

「うぅっるさぁい!!!」

「お前今度からエテボースってポケモンになれ」

「いやですよ!!」

「おーいエテボース―♪」

「…水鉄砲!!!!」






























「やっと、いつものブイゼルだな」

「えぇ」

「よかった…」

ゴウカザルさんたちは、口々につぶやいていた。

「冷凍パンチ!!」

ブイゼルは練習場で練習していた。

しかしなかなかできない。

いや、技自体はできるのだが、自分自身の中にある目標とちょっとずれているのだ。

「…やっぱ、まだ動揺してるのかな…」

「お前まだここに…」

「ゴウカザルさん…」

「昨日のこと、そんな練習に集中できなくなるほど気にしてんのか?」

「…だってあんなの初めてで…」

「ま、お前恋には鈍感そうだもんな」

「はい、鈍感です」

ゴウカザルさんは僕にとっても良き先輩だ。

シンジさんに捨てられた過去があるけど、サトシが拾ってくれた。

サトシのこと、信じ切ってるんだよねぇ…。

何で僕はずっと動揺してるんだろう。

でも…

なんか、抜けない…。

「元気出せよ…」

「はい」

ゴウカザルはぶらぶら去っていった。
















その日ヒカリが遊びに来ても、全っ然笑わなかった。

「くっそぉ…」

僕はどうすれば…。

「おい、いつまでもボーっとしてんじゃねーよ」

ジュカイン先輩だ。

「…ひひっ、俺、お前がうらやましいぜ」

「…いや別にあれはただ・・・・・・」

「エテボースから突然だもんな、動揺するのも分かるぜ」

「…」

「…そうそう、ピカチュウから聞いたんだけどな、サトシもキスされてもなんともない顔で過ごしてたって」

「サトシも?」

「ピカチュウは、『相変わらず子どもなんだよ』っていってた」

「サトシも僕と同じなのかな…」

「…ま、俺は失恋王だから」

「いつかは実りますよ」

「これからお前どうするんだよ」

「…うぅ…」

「ま、じっくり考えてみろ!!大丈夫だ、エテボースは逃げやしねぇよ」

「え?なんかずれてませんか話が」

「いいんだよ」

「よくないですよ!!」

「いつも通り頑張れ」

「…はい!!」

いつも通り…か…。

じゃあ僕はいつも通りみんなに突っ込みを入れよう!!

と、決意した。

「そういえばおまえってエイパムと交換されてこっち来たよな」

ゴウカザルさんが言った。

「…そうですね…でも今やピンポン馬鹿ですよね」

「卓球ってどこが面白いのやら…あいつ♀だろ?」

「はい、♀ですね」

「ま、いいんじゃないの?エテボースはエテボースなりの人生を送ってて多忙なんだよ」

そのとき。

突然目隠しを食らった。

「だーれだ!?」

「…ん?」

僕の肩に手を置いている。

目を隠すための手は2本要るはずで、それで両手ふさがるはず…。

てか手が異常にデカいわ!!

こういうのは多分…。

「エテボース?」

「なんでわかったのー!?あんた何者―!?」

「いや…分かるよ?肩に手を置くあんたが悪いんじゃ…」

「えっへっへー」

「てかなんでここにいるのさ!!ピンポンは!?」

「ちょっと休暇貰ったのー。今やシンオウ一になっちゃって」

「すごいな」

「でしょー★」

「…うんそうだね」

こいつは何のためにここにいるのだ!!

「ねぇ…サトシは?」

「今はイッシュ地方にいるよ」

「イッシュってどこ?」

「お前まずそこ!?」

「知らないもん。地味なんだもん。」

「…確かに、小っちゃいし平和だからニュース出てこないよね」

「シンオウ地方でっかいもん」

「そうだね」

「カントーとホウエンとオレンジ諸島以外わかんない」

「ジョウトはぁぁぁ!!」

ドンファン。

「まぁまぁ…こいつ抜けてるんで」

「どういう説明してくれてるのよ!!」

「まぁいいじゃないか」

ていうか僕まさかこいつのペースに巻き込まれてるよね?

「サトシいないのか―。じゃあ帰りまーす」

「もうちょっとのんびりしていけば?」

「…いいじゃないの…あ、でも」

エテボースが僕に顔を…ってぇぇぇええええ!?

周りのみんなが固まった。

なにこの状況…まさか僕はキスをされたということに…?

「ヒューヒュー!!」

「なっ…」

「エテボースやーる―!!」

「えっ?」

自分でも状況すら把握してない感じで…。

「ブイゼルお前顔真っ赤っかだぞー」

「ヒカリに出会わせてくれたお礼と…まぁ…はい」

「…お…おぉ…はぁ…」

心臓めっちゃ鼓動がひどいぞ。

何してくれるんだ…。

でもなんか抵抗できない気がする…。

つーか何で僕!?












「ブイゼル…ガチで恋愛には鈍感そうだな」

「エテボースからキスされちゃって何が起こったのかわからなくなったんでしょ」

「やれやれ…」

「これだからお子ちゃまなんだよ」

「なんの話してんだよ!!」

「あっ、ブイゼル」

「ギャー!!」

「逃げろ!!もっと遠くへ!!」



















「……恋愛かぁ…」

ブイゼルは一人、研究所の中の一室で、ぼーっとしていた。

何が起こったのかわからない。

心臓がちょっと死にかけただけ。

…。

「あーもうやめたやめた!!特訓しよう!!」

ブイゼルは一人、練習場へ向かった。

時は朝。

「みんなー、朝ご飯よー!!」

みんなが向かった。

一つ皿が開きっぱなしであった。

もちろんそれは僕のエサなのだが。

「…なぁ、ブイゼル居なくね?」

ブイゼルがいない、という話題で持ちきりだった。

「まだ散歩かなんかに行ってるんでしょ、待っとこうよ」
















三十分が経過。

「おっかしいなぁ…」

「足でもくじいたんじゃない?」

「あぁそれか」

ちょっと探してみるか、ということに。
















一時間後。

「いたか?」

「いいや…」

「夜中の間に誘拐されたんじゃないの?」

「あいつに限ってそんなことあるわけねージャン」

「攻撃的なんだぞあいつ」

「決めつけちゃだめよ」

「困ったなぁ…」















いっぽうぼくは、オーキド研究所からそこまで離れていないところにいた。

というか、塀を下りてすぐのところにある森の中に張られたキャンプなのだが。

ちなみに今僕は縄でぐるぐる巻きなので、技を一つも出せない。

くっそー・・・しっぽでも使えれば…。

あ、口使えるわ。

無防備な野郎共め、今に見てろよ!!←ヒートアップ

「水鉄砲!!」

「あっ、しまった―――」

「やな感じな感じじゃないのこれー!!」

はいっ、ぶっ飛ばされた―。

気持ちいわー。

そして空に向かって、

「水鉄砲!!」

頼む、みんな気づいて!


















「あそこから水鉄砲が出てるぞ」

「そんな遠くないじゃない」
















みんなブイゼルの存在に気付いた。








「ダメだろお前家出なんかしちゃ」

「してないよ!!つーか分かれよこの縄ぐるぐる巻き」

「これにばってんマスクしたらこいつの突込み聞こえなくなりそうだな」

「冗談じゃない!!」

「まぁいいか…今回はやらないことにしてやるわ」

「上から目線やめて―!!」

そういうわけで、めでたしめでたしでした。

…ん?

僕の目が留まった。

別に監視係というわけでもなく、ただ木にもたれかかって昼寝でもするか、となっているだけなのだが。

草タイプのみんなが集まってますねー、と。

「よーし、みんなあつまったな。じゃ、さて…と」

何をするつもりなんだろう。

鬼ごっこでもするのかな。

という考えは一瞬にして抹消された。

「昼寝すっか」

何のために集まったんすかあんたらは!!

そういう僕も昼寝しようとしてたけどさ!

何で!?

何のために集まって寝るの?

今春でしょ?

春なら寒くないからおしくらまんじゅう的な感じで人口密度上げて寝る必要ないじゃんか!!

「誰が一番寝れるか競争だ」

「すいません、ジュカイン隊長」

ベイリーフが挙手する。

「あのー…全っ然眠れません」

「なんでだ」

「サトシのこと考えすぎて」

ふざけんなよあんた!!

「あぁ…俺もそういうことよくあるぜ」

あんたもサトシのこと考えて眠れないことあるの!?

キモいな!!

「俺もさ…メガニウムさんに振られた過去があるんだなぁ…」

情感たっぷりに語るな失恋話を!!

「サトシは優しかったな」

ドダイトスナイス!

「あのー…すいません」

その中では一番最年長ながら身長が一番低いフシギダネが挙手した。

「恋ってなんですか?」

てめぇ男だろ!!!!

ガールズトーク的なの始めんな!!

つーかなんなのさ!!

修学旅行に行って眠れないで恋バナ始める女子かよお前ら!!

「さて…もうそろそろ寝るか」

いや、夜ですみたいな感じでしゃべんないで下さる!?

そしてみんな眠りについた。



























夜中。

もう夜か…。

僕はたまたま目を覚ました。

その時だった。

ロケット団が(といってもコサンジとかだけど)いた。

「あ…起きちゃったッぽいわよ」

「ぽいな」

「じゃあとりあえず…」

上から袋をかぶせられた!!

「!?」

何が起こったのか僕にはよくわからなかった。

もごもご動いてたらどうやら木を下りたらしく、すたすたとどこかへ向かっている模様だ。

がっ、という音。

塀を乗り越えている!?

そしてスタン、という音。

きょろきょろしても見えるのは白い布と不気味な冷たい空気だけだった。

「ヤマト、行くぞ」

「えぇ」

そして、走り出した。

突然止まった。

袋を開けられ、麻酔を打たれた。

ヤバい…力入んないよ…。

そのまま、力尽きた。

ピンポーン…。

オーキド研究所のインターホンが鳴らされた。

「どーぞー?」

オーキド博士がドアを開けた。

そこに突っ立ってたのは…。












「あぁもう!!喧嘩しないでくださいよ!!」

「だーから黙っとけってお前は」

またまたムクホークさんとピジョットさんのけんかを止めていた。

その時だった。

「ブイゼル―!!元気―!!?」

「…ヒカリ!?」

というや否や、ヒカリは僕に抱きついてきた。

「久しぶりー!!やっぱりまだ愛着ってもんがあるのよねー❤」

「…へぇ…」

ぶっちゃけヒカリはポケモン語がわからない。

まぁ仕方ないか。

でもなんでピカチュウのピカピは通じるのだろうか。

なんとなくそんな響きなのだろうか。

僕が出てくるときは「ブイブイ!!」とか言ってるけど、たぶん視聴者の皆さんは「やってやるぜコノヤロー」的な解釈をしているのかな。

たぶんそうなのかな。

「…ブイゼル、何ボーっとしてるのよ」

「へっ!?」

いや待て…。

完っ然に僕ヒカリに対してデレてない?

「おい…ブイゼル顔真っ赤っかだぜ」

「デレてんじゃね?」

「おっ、かーわいー」

なんてみんなが冷かしてくる…(汗)

ふざけんな!!

一回僕は光から離れた後…。

「アクアジェット―!!」

「ブイゼル何してんのよ!!ちょ、やめなさい!!」

て言われた瞬間、また僕は止まってしまった。

やっぱ…デレてんのか…。

やっと自覚できた。

何で僕は周りからツンデレといわれるのか理解できなかったけど…。

完全にサトシとヒカリの前ではデレてて、タケシとその他の人の前ではツンツンなんだ!!

そう、自分がツンデレだと理解できたのである。

ようやく。
















ヒカリがバイバーイ、と手を振ったら、振り返してしまう癖がついた僕だった。

「…ふぁあ…」

僕はあくびした。

目をごしごしとこする。

「みんな、昼ご飯じゃぞー」

オーキド博士の声。

「…さて、行かなくちゃ…」

たちあがって、ご飯を食べに行った。











「よこせぇーい!!」

千鳥足で僕のエサを奪ったやつがいた。

ヘイガニである。

「ちょっと、返してよ!!」

僕は叫んだ。

しかしヘイガニは、

「やなこった」

と口の中にエサを全部放り込んでしまった!

「…何をしてくれてんだぁぁぁあああああ!!」

さすがに大事なひるごはん(しかもオスだから食べ盛り)を取られて黙ってられない僕は、ついに燃え始めてしまった。

「こんちくショー…面倒くせぇ」

とヘイガニはバブル光線を浴びせる。

「水鉄砲!!」

僕の技の威力は上昇。

「わぁぁぁ!?」

ヘイガニを軽くぶっ飛ばした。

オオスバメが、

「おいおい…喧嘩すんなよ」

と間に入ろうとした。

しかしそんなオオスバメを僕はソニックブームでぶっ飛ばしてしまった。

若干覚醒しかけてるのかな…。

「うわあぁぁああああ!!」

世界がぐちゃぐちゃである。

何を見ているのかもわからない。

その時だ。

「んなささいなことで覚醒すんな!!」

と体に響いたのは、オオスバメの声であった。

「飯ぐらい分けてやる!!戻れ!!」

「…あれ?何してたんだっけ」

その声で僕は何をしていたのか忘れてしまった。

あほだ…。

それが、なんか意味わからない昼下がりであった。

「あぁ!?上等だぁ!!」

「んだと!?」

元気に言い合いしてるのは、ムクホークさんとピジョットさん。

ギャーギャーピーピーうるさくて、周りのみんなもお困りの様子。

「決着をつけようじゃねーか…お前がここにきてからずっとこんな感じだぞ。どうしてくれるんだ」

とピジョット。

「もっとこっちでは平和な生活できると思ったのに…サトシったらこんなの捕まえてたのかよ」

とムクホークがやれやれと言わんばかりに首を振る。

「言ったな!?」

「あぁ、言ったさ」

「じゃあ、どっちがあの木まで行けるか競争だ!!」

「おう、来い!!」
















「やめてくださいよこういうの…」

「海イタチは黙ってろ!!」

うっ、と僕は思わず言いそうになった。

何より二匹の気迫がひどい。

でも、あんなにくだらないことで喧嘩するのはおかしい。

だいたい鳥ポケモン同士仲良くすればいいじゃないか。

ったくなんだよこのヤローども。

喧嘩留めようと思った俺の気持ち考えろ!!

(ヒートアップ?)

「お前らいい加減にしろっての」

僕は言った。

「あ?」

当然、ムクホークとピジョットは僕を蔑んだが、僕はその時ヒートアップ状態。

怒りに燃えている。

だから口調が変わっちゃってるんだけど…。

「お前らのけんかの原因くだらなさすぎるんだよ。ダッサ!!」

「…言ってくれるじゃんか…」

「上等だぁ」

二匹は挑発する。

「…けっ、くだんねぇっつってんじゃんか!!水の波動で目ぇ覚ましやがれ!!!」

二匹はぶっ飛ばされた。

















ゴウカザルは言う。

「やりすぎだったんじゃない?」

でも、僕は言った。

「喧嘩するのが悪いのさ」

「あー…肩こったぁ~…」

ドダイトスがのそのそ歩いてくる。

「なになに、肩こった?いい方法があるぜ」

ゴウカザルがドダイトスに提案。

「なんだ?」

「まぁみてなって」

ドダイトスが疲れた、という目線でゴウカザルを見つめた。

ゴウカザルは穴を掘り始めた。

それも、結構広めの…ドダイトスの背中ぐらいまでの穴。

「…ささ、ここに入って」

「…おぉ…」

なにをしようとしているのだろうか。

僕も少し不安になった。

ドダイトスが穴に入ったら、ゴウカザルはサトシがたくさん捕まえたあのケンタロスをぞろぞろ連れてきた。

「…何する気?」

「まぁまぁ」

ゴウカザルはドダイトスの近くにケンタロスを連れてきた。

そして、ケンタロスたちを穴を挟んで向かい側に立つようにした。

「…??」

僕にはさっぱりわからなかった。

どうやってケンタロスたちがゴウカザルの方向なんかに…

「へっへっへ」

ゴウカザルが赤い布を持った。

「…まさか…」

ケンタロスたちは一気に発奮し、赤い布に向かって走り出した。

そのすごい音に、

「なにが起こってるんだよ!!出してくれ~!!」

ドダイトスは言った。

しかし、その後、すぐにドダイトスの背中にケンタロスの大群が。

肩、背中の骨が、ぽきぽきとなる。

ゴウカザルは赤い布を…ってぇぇ!?

「なんで僕にもたせるの!?」

「まぁ、宜しくな★」

そして、ケンタロスが迫ってくる…。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!」

ボクハコテンパンに…。

ドダイトスを穴から引き揚げたゴウカザルに、ドダイトスは言った。

「いやぁ~、あれいいねぇ~」

「え?」

「めちゃくちゃ気持ちよかったんだよ~あはハハハ★」

「マジ?よかった」

「ちっともよくなぁーい!」

叫んでしまった僕でした。

僕はブイゼル。

サトシがイッシュ地方に旅立ってから、もう一年ぐらいたってるかな。(サトシ年取ってないけど)

どうやらアニメ制作の人がイッシュ以外のポケモン出す気ないらしいから、僕らはずっとオーキド博士の研究所にいる。

モンスターボールの中が窮屈だから、みんな出してもらってる。

え?なんで僕がこんなアニメの中のあの挑発的ツンデレブイゼルキャラじゃないかって?

そんなの決まってるでしょ、あれはバトルの時だけ。

のんびりマイペース野郎なんです、僕は。

オーキド研究所はいつも大賑わい。

最近はドダイトスとフシギバナがよく一緒に競ってて僕はぶっ飛ばされて、気が付いたらゴウカザルの頭の上で体焦げたり、そういうのはよくあることで…。

おかげで今は僕は腹のあたりに包帯を巻いてる。

痛かったんだよ。

ホントに痛かったんだよ!!

そんなわけでまぁ、みんな元気にやってるってこと、サトシに伝えたいんだ。

だから、僕がここから実況報告するということで。

バトルモードに入ったら僕はキャラ変わるけど気にしないでね☆

一人称が「俺」だよ。

ココにはたくさんのポケモンがいる。

だから、その分、たくさんポケモンについて僕が語りますよ、宜しくお願いします!

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