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「…なんで俺はこんなポケモンになってんだよ!!」

トオルは顔をしかめた。

「私なんて、そのまんまサクラに…」

サクラは肩を落としている。

その光景は、リンクとシャインからしてはとても変な光景に見える。

どう見てもポケモンなのに、なんでそんなに落ち込んでいるのかわからない。

「なんで落ち込んでるんですか?」

リンクが聞いた。

「私たち、人間なのに…!!」

サクラが泣きそうな顔で言う。

「ニンゲン?なんだそれは」

シャインが顔をゆがませた。

「…人間…だった…」

リンクがつぶやいた。

「まぁ良くわからないけど…とにかく、俺んちこいよ」

シャインが二匹を案内した。

















シャインの家は、大きな木の中にあった。

でも、家には見えず、何か企業っぽい感じ。

「ここが本当にあなたの家なの?」

サクラが聞いた。

「あぁ…俺が経営するある仕事のギルドでもある」

中は広々としていた。

階段がらせん状にぐるぐる上がっていて面白い。

「…ねぇ、シャインさん、この掲示板何?」

「それか…それは、依頼掲示板だ」

「「依頼掲示板??」」

二匹が声をそろえていった。

「…俺の仕事の名前は、探検隊のギルドの親方を努めること。でも本当の親方はあっちのトレジャータウンにいる」

「じゃあここは…」

「いわゆる、別館プクリンのギルドってことだな」

「探検隊ってどんなことするんだ?」

「…そうだなぁ…困ってるやつを救助したり、宝物を探したり、お尋ね者を倒したりするんだ」

「かっこいい!」

「いいなぁそう言うの」

シャインは、二人の目を見ていった。

「お前ら、探検隊やるか?」

「え?」

「こっちも少々人手不足だからな…でも、強制はしねぇぜ」

「…あたしやりたい!」

「俺も!!」

「じゃあ決定だな…」

シャインはにこにこしながら、階段をのぼり、二人をまた案内した。

















「チーム名はどうする?」

「…えっと…」

次回、サクラとトオルのチーム名が決定する!!


「なんでお前の写真が載ってるんだ!?」

「わ…分かりませんよ?」

記事を読んでみた。

「このブイゼルを見つけたら、…必ず、殺す!?」

「なんでこんな新聞に宣戦布告的なのを…」

「でもお前、命狙われてるぞ」

「自分でもよくわかりません…」

ブイゼルは頭を抱えた。

「…なんでこいつが…命を狙われる必要が…」

イーブイはつぶやいた。

「お前、何か隠してないか?」

ブイゼルに向かってイーブイが言った。

「…え?」

そしてイーブイはブイゼルを取り調べるために別室へ連れて行った。














「お前さぁ…俺の助手なんだぜ?信じてくれ、俺は誰にも言わない」

「…でも…これは…」

「言ってみろ」

「…イーブイさん、驚くんじゃないかなぁ…って思ったら、言えなくて…」

「…驚く?」

ブイゼルの言い分を聞けばこうだった。

要するに、ブイゼルの体の中には、世界をも滅ぼすことのできる力というものがあった。

それはピンチに陥ると発生する力。

大体は意識がない状態で、何が起こっているのかわからない時に発動する。

それが、その力だというのだ。

「けれど、その力の一部は自分でコントロールできるようになってしまったんです」

「え…じゃあ見せろ」

「えぇ!?」

「いいから…ほら」

ブイゼルの心臓あたりが光った。

白い光を放って、その次にはもう水が満ち溢れていた。

「うっ…おい、ちょっと…」

取調室は水槽のような状態になった。














「死ぬかと思ったぁ…」

「だからいやだったんですよ」

「おはようございまーす★あれ、先輩方、どうして濡れてるんですか?」

ちょうどフシギダネが来た。

「…うぅるさぁい・・・」

その時、電話が鳴った。

「はい…はぁ…はい、わかりました」

電話を置いたイーブイはニコリと笑った。

「…依頼だ」

「えぇ!?」

「崖から一匹のポケモンが落ちたらしくてな、それが他殺かどうか調べてほしいそうだ」

「そのポケモン死んだんですか?」

「いや、入院中だ」





「行くぞっ!」

次回、イーブイとフシギダネとブイゼルが大活躍の予感!!

イーブイの師匠は、もうこの世にはいないのである。

遠い遠い天国とやらに上っていった。

けれど、その魂は、イーブイに受け継がれている…はずだ。

全ては、イーブイが9歳ごろの時であった…。













「お母さん、どこ行くの!?行かないで!!」

大きな荷物を持ち、家を出ていこうとしている母。

そんな母を見ることすらもしない父。

そうだ、母と父が別々になったあの日―――

それが、『師匠』との出会いだった。

母にもらった手紙には、さようならとしか書いていなかった。

もう、ほんとうにお別れなの!?

イーブイは、母が出ていくのをじっと見守った。

そして、母の背中を見送ってから一時間後、もう、いてもたってもいられずに、家を出て行ってしまった。














そして、近くのあの角にある公園で、ベンチに座り、一人でしくしくと泣いていた。

いやだよ…。

平和だった日常が、一瞬にして崩れ去った。

だから、イーブイはつらくてつらくて仕方がなかった。

その時。

「どうしたんだい坊主」

上から頭をポンとたたかれた。

「だ…誰?」

泣きべそをかいた顔で後ろを振り向けば、そこに立っていたのはルカリオと呼ばれるポケモンであった。

「元気出せ、さっきからずっと泣いてるじゃないか」

アンパンを分けてもらった。

それをまた泣きながら頬張った。

「何の仕事してるの?」

「探偵さ」

少々どやった顔で言われたのでイーブイは不思議そうにそのルカリオを見ていた。

「探偵…?」

もう涙は止まった。

そして興味津々に、ルカリオから探偵の話を聞いた。













そして数日後には、もうルカリオの新米助手になっていた。

探偵の世界にのめりこんだ。

あくる日もあくる日も思いっきり、事件を解決するために、頭脳も回転させた。

いろいろと調べたりもした。

でも、ある日。

「出張!?」

「どうやら海外の事件まで解決してこいだと」

「がんばってね!!また教えてね!!」

手を振った。

それが最後となった。

















師匠の乗った飛行機は、墜落したのである。














そのニュースを聞いて、イーブイは空港まで走った。

怖かった。

そして少しでも情報が聞けないかと、探偵を教えてもらった時の事情聴取のやり方で聞いて回った。

師匠はもう、手遅れだったと聞かされた。
















その日から年月は立ち、イーブイは一生懸命勉強して今に至っている。

普段アホそうに見えるかもしれないが、それでも探偵なのだ。

かっこいい時はかっこいい、それが大事な小説になっているのであるww














ある日。

「…おいブイゼル、この記事…」

イーブイがブイゼルに見せた記事。

その写真に写っていたのはブイゼル!?

「…どういうこと…!?」

自分でも面識のない写真。

さぁ、次回、謎の新聞記事の秘密が明らかに!!

「あ、電話だ」

イーブイが電話に出た。

「…もしもし…あ、それはそうですか…ってぇぇ!?強制なんですか!?」

そして電話は続き、切れた。

「…なんですって?」

「…迷子だって」

「えぇ!?」

「探してほしいんだって…探してもらえるお金はなんと20万ポケだ」

「そうなんですか!?」

「でもこれ家出じゃないのかなぁ…」

…ぽい。


ちなみにポケは、この世界で生きる上で大切なお金の単位である。



「…とにかく、探しに行こう」















なんとか、その家出野郎をにおいで見つけて、20万ポケをもらった。

よし、これでビールが買える…

そう思いながら久々のビールに期待を膨らませて事務所に戻るイーブイを見ながら、そうか、僕はあと一年でビールのおいしさを理解できるのか、とブイゼルは思った。

しかし、留守電に何か入っていた。

「…何々、変質者が現れただと?」

留守電を聞き終えたイーブイは、少々ビールは先延ばしか、という顔をして、

「…また行かなくちゃ」

「えぇ…帰ってきてまだちょっとしかたってませんよ?」

「…でも行かなくちゃ」

そして今度は車で、隣町の隣町の隣町へ向かった。















「…なんだこれ」

つまり、ど変態がいたと。

「やだぁー…」

フシギダネがつぶやく。

「…これは…」

ヤルキモノがやる気を出しすぎて、ど変態になって、暴れまわっていた。

愛の拳ということで。

シャドークローと冷凍パンチを各々ヒットさせて、とりあえず拘置所送りとした。

「…やっとビールが飲める」

イーブイはまたしても事務所に戻った。

留守電が入っていた。

「すいません、うちの子が家出したんです」

















「そんなの、警察に頼んでください!!」

イーブイは、思わず叫んでしまったのである。

でも、そしたら仕事ないよ、とブイゼルは思っていた。

「今日も町のごみ拾いだぜー!!」

「ってふざけんな!!いやですよ!!」

「いやいや結構もうかるんだ」

「うそ」

「時給10ポケ」

「すっくないわー!!」

「少ないの?」

その時だった。

電話が鳴ったのは。

「はい…ブイブイ探偵事務所です…あ、そうですか」

がちゃ。

「なんだったんですか?」

イーブイの目から涙が…。

「…間違い電話だった☆」

どてっ。

「ひやひやさすんじゃないよ!!もう!!」

その時だった。

また電話が鳴った。

「はい、ブイブイ探偵事務所です…はい、はい。わかりましたー。」

がちゃ。

イーブイの目からまた涙が流れた。

「また間違い電話ですか…?」

「いや、仕事来たよ!!時給10ポケのごみ拾いよりもずっといい仕事来た!」

「やったぁー!!」

「えっとですね…『殺人事件が起こった。車の中での殺害だったんだが、犯人が逃走したので、追いかけて捕まえてほしい』…だって」

「かっこいい仕事だー!!」

「現場は?」

「ちょうどここから30分ぐらいかな。車で急ぐぞ」

「おぉー!!」



















現場に到着するや否や、真っ先にブイゼルが鼻でにおいをかぎ、地面に鼻をくっつけて、備考的なものを開始した。

「あっちか!!」

それをイーブイとフシギダネがおっていく。

続くこと1時間。

「いたっ!!」

ブイゼルが叫んだ。

その犯人は木の裏に隠れていた。

イーブイが後ろにそろりと回る。

フシギダネが正面から真っ先に向かっていく。

ブイゼルは監視。

フシギダネに気付いた犯人が後ろを向くと、そこにはもうイーブイがいて、にやりと笑うと

「お前を逮捕する」

といい、その犯人の手をぐっと握り、フシギダネがツルでぐるぐる巻きにした。



























「一件落着っツーことでね、定番のすし屋に来たー!」

「よぅ」

店長のカメックスはイーブイと同級生だ。

「お疲れさーん!!」

「どうもどうもー」

「では…」

「カンパーイ!!」

寿司屋はワイワイとにぎやかになった。

「…あぁ…眠いなぁ…」

自分の机で、思いっきり伸びをするイーブイ。

「…仕事、ないですねー…」

とブイゼル。

「ま、平和ってことなんじゃないですかねー…電話が鳴らない限りは…」

とフシギダネ。

「「「ふぁ~…」」」

みんなで大あくびである。

「…先輩…ふと思ったんですけど…」

ブイゼルがイーブイに尋ねた。


「仕事なさすぎる職場って、儲かりませんし、ある意味ないから、潰れちゃうんじゃないですか?」


事務所は凍りつく。

「ほらぁ…そのぉ…ここ、あんまり大規模な事務所じゃないから、三人しかいないわけだし…」

「…でも、事件は解決してるだろ?」

「でも、最近の依頼、ただ〇〇サンの探し物を探す、とかばっかりじゃないですか」

「…確かに」

イーブイとフシギダネが顔を合わせてうなずいた。

ブイゼルは続ける。

「…このままだと、経営破たんになって、この事務所、続かなくなるし、営業報告書も出さないと…」

「もう、お前、まじめすぎるんだよ!!なに、経営破たんって!!」

「店がつぶれたり、なんか申請する状況に陥ることです」

「…これはまずいねぇ…」

イーブイが顔を渋くした。

「…ちゃんとした方がいいのかもしれませんね」

「よし!!今日の仕事が決まった!!」

イーブイの堂々たる宣言にブイゼルとフシギダネは目を輝かせた。

「町のパトロールと清掃活動だ!!」

ドテッ。

「イーブイさん、もっと刑事らしい仕事しましょうよ…」

「感謝状もらえるだけでも十分嬉しいと思わないか!?」

「不審者扱いとかされたらどうするんですかー?」

大丈夫!!…といいたいイーブイであったが、それは無理であった。

「…うっ、トイレ~☆」

「あ、逃げた」

イーブイは、トイレからしばらく出てこなかった。























プロローグを除く記念すべき第一話なのに、このグダグダ感は、相変わらずなのであった。

プロローグ

2012年07月04日
プロローグ
「おおおお!!復活だー!!」

「やりましたね、イーブイ先輩!!」

「…私がいる時点で、ブイブイじゃないですがね」

今、喜びの悲鳴を上げたのは、公園の角を曲がったところにある探偵事務所、その名も「ブイブイ探偵事務所」の所長の探偵、イーブイである。

そして、その長年の助手、ブイゼル。

新米探偵、フシギダネ。

この三人で成り立つのがまさしくこの事務所なのである。

「今日はどんな仕事があるのかなぁ……」

「たぶん今日はないと思いますよ、これは単なるプロローグでしょうから」

「そ・・・・そんなぁぁ!!」

ブイゼルもイーブイもフシギダネも、仕事がない日はみんな暇人。

寿司を食べたりかつ丼食べたり食って寝てという生活をするのであります。

そんな探偵たちの、熱きドラマである!