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プロローグ

静かな砂浜。

二匹のポケモンが気を失っているところを、たまたま通りかかったコリンクは見つけた。

「…だ、大丈夫ですか…?」

恐る恐る顔を覗き込んだ。

そこには、チラーミィとチェリムが倒れていた。

「…反応がないなぁ…大丈夫なのかな」

コリンクは背中にチラーミィを、頭としっぽでバランスを取りながらチェリムをのせて、ある場所へ向かった。
















「ここなら安全だよね」

一人でつぶやいた。

そこは静かな洞窟の中だった。

「…おーいリンク、ここにいたのか」

「シャイン!!」

コリンク…リンクの友達、シャインことブイゼル(光っていないが)がそこへやってきた。

「ん、誰だそいつら」

「砂浜で倒れてたの」

「よく運べたなぁー…こんな地味なところまで」

「でも困ってる人は見過ごせないんだ」

「俺もさ」

シャインはにっこりとほほ笑む。

「とにかく、手当てしねーと…傷がたくさんある」

「そうだね」

リンクは、森の中に木の実を取りに行った。

その間。

チェリムが、うっすらと目を開けた。

「…うぅ…ここはどこ?」

「お、目ぇ覚めたか」

「…うわぁぁぁぁぁああ?!」

チェリムは後ろに少し引き下がった。

何て言ったって、驚くのに無理はない。

目の前にいるのがブイゼルなんて…。

さらに。

「な、なにこの手!!」

シャインからしたら何で驚いているのかわからない。

「…ねぇ、私どうなってるの!?」

「なに…って、普通のチェリムじゃない?」

「チェリム!?」

そのチェリムは、とにかく焦っていた。

「あ、トオルは!?」

チェリムがきょろきょろするのを見て、シャインは聞いた。

「…あの…どちら様で?」

「え?えぇぇえええ!?やっぱり、しゃ、しゃべってる…」

「なんで?喋るのが普通じゃないの?」

「だって、ポケモンがしゃべってるなんて見たことないし聞いたことないしそんなのゲームの中の話じゃない!!」

「…おいおい、何言ってんだよ、あと名乗れ」

「私は…サクラ」

「…いい名前だな…どこから来たんだ?」

「…分からない」

その時、チラーミィも起き上った。

「…うぅ…俺は…」

「あ、目ぇ覚めた!?ねぇ、トオルなの?」

「…あぁ…俺はトオルだ…お前誰…つーか人間じゃねーのに話しかけても無駄か」

「あたしよ、サクラ!!なんかこうなっちゃってて…」

「え、マジ、お前サクラ!?まんまサクラじゃんか!」

「うるさいわねぇ…そういうあんたも、なんかやけにかわいくなっちゃってるわよ!!」

「うるさーい!!静かにしろ!!」

シャインが叫んだ。

そしてリンクが戻ってきた。

「あ、起きたんですね!!」

「そうそう起きたんだけど様子が変でよー…何とかしてくれリンク~!!」

「そう言われても…はい木の実」

木の実を二匹にあげる。

二匹はつぶやいた。

「なんであたしたち、ポケモンになっちゃったんだろう…」



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