「…うぅ…」
イルは連行されて意識を失ってから、初めて目を覚ました。
「…あれ?俺…なんでここにいるんだろ…」
首にはぶっとい首輪のようなもの。
手と足にもなんか鎖がつながっている。
「…!!」
この状態は…と、ようやく理解することができた。
つまり、イルは檻の中で、身動きができない状態になっている。
しかもこの状態、異常に体力を消耗する…。
それに加えてあの力を発動した反動で体があまり動かない。
「……くそ……」
イルがつぶやいた。
その時だった。
イルに影が忍び寄っていた。
「お目覚めですかな?」
ドククラゲであった。
「…お前ももうすぐ楽になれるぜ…力から解放される」
「…な…なん…のつもり…だよ…」
イルは次第に体力を消耗しているがために、なかなか動けない。
「…うっ!!」
体に激痛が走る。
「…この鎖には、電気を通す性質を持っている素材を使っている。あの鎖がつながってる場所から電気が放出されて、お前を苦しめるのさ」
「…こんなところで死んでも…」
イルは続けようとした。
が、あの時の記憶が、イルの頭を支配した。
「お前なんか、死んでも死ななくても、いてもいなくても変わらない」
「なんでそういう子に生まれてきたのよ」
「隕石にあたるなんて、ふざけてる」
力を手にしてしまい、差別され、何度も死のうとしたあの時の記憶。
自分から力を手に入れたわけじゃない。
彼の不運であった。
「もう・・・いやだぁぁぁぁぁああ!!」
そして、だれも自分に触れなくなった。
近づけば、力で飛ばされる…、と。
親からも見放され、一人で生きてきた。
そして、完全に周囲のものすべてを信じなくなった。
信じるのは、自分の良心だけであった。
イルは、完全に心を閉ざしたのである…。
「…そうだよ、俺なんていてもいなくても変わらない…」
イルはつぶやいた。
「やっとその気になったか!」
ドククラゲが嘲笑する。
そして、その時だった。
「…まぁぁてぇぇぇぇ!!!!!」
と、イルの檻の前にノゾムとマリンが現れた…。
「…ノゾム…マリン…」
イルは少し、ニコリと笑った。
でも、半分、ノゾムとマリンを信じられない自分がいた。
この微妙な心境で、イルの精神は崩壊していった。
イルの中にあったリズムが、休止符を打った。
イルの時は止まった。
「…どうやら、ショータイムのようだ…」
ドククラゲがにっと笑う。
次の瞬間、イルの体は宙にぶわりと浮き、光を放つ。
強烈な力だった。
いつもの何倍ともある力で…。
イルはノゾム、マリンを光で包み込むようにして飲み込んだ。
しかし、力は一日一回が限度。
それを超えたら、体に危険が及ぶ…。
「…ウェ~…ん…」
心の奥底で、小さな自分が泣いている。
周りはどんどん闇になっていく。
自分はその闇に阻まれ、顔も上げられない。
その闇から、一本の黄色い手…。
イルははっと我に返った。
黄色い手を、握り返した。
「イルーっ、俺たちは仲間だ!!信じてくれ!!お前の過去に何があったかなんて知らないけど、俺たちは仲間で…友達じゃないか!!」
その瞬間、周りの闇が花畑のように色とりどりになる。
そして、光もおさまっていった。
限度を過ぎ、意識を失ってしまったイル。
次回、イルの決意と基地からの脱出!!
イルは連行されて意識を失ってから、初めて目を覚ました。
「…あれ?俺…なんでここにいるんだろ…」
首にはぶっとい首輪のようなもの。
手と足にもなんか鎖がつながっている。
「…!!」
この状態は…と、ようやく理解することができた。
つまり、イルは檻の中で、身動きができない状態になっている。
しかもこの状態、異常に体力を消耗する…。
それに加えてあの力を発動した反動で体があまり動かない。
「……くそ……」
イルがつぶやいた。
その時だった。
イルに影が忍び寄っていた。
「お目覚めですかな?」
ドククラゲであった。
「…お前ももうすぐ楽になれるぜ…力から解放される」
「…な…なん…のつもり…だよ…」
イルは次第に体力を消耗しているがために、なかなか動けない。
「…うっ!!」
体に激痛が走る。
「…この鎖には、電気を通す性質を持っている素材を使っている。あの鎖がつながってる場所から電気が放出されて、お前を苦しめるのさ」
「…こんなところで死んでも…」
イルは続けようとした。
が、あの時の記憶が、イルの頭を支配した。
「お前なんか、死んでも死ななくても、いてもいなくても変わらない」
「なんでそういう子に生まれてきたのよ」
「隕石にあたるなんて、ふざけてる」
力を手にしてしまい、差別され、何度も死のうとしたあの時の記憶。
自分から力を手に入れたわけじゃない。
彼の不運であった。
「もう・・・いやだぁぁぁぁぁああ!!」
そして、だれも自分に触れなくなった。
近づけば、力で飛ばされる…、と。
親からも見放され、一人で生きてきた。
そして、完全に周囲のものすべてを信じなくなった。
信じるのは、自分の良心だけであった。
イルは、完全に心を閉ざしたのである…。
「…そうだよ、俺なんていてもいなくても変わらない…」
イルはつぶやいた。
「やっとその気になったか!」
ドククラゲが嘲笑する。
そして、その時だった。
「…まぁぁてぇぇぇぇ!!!!!」
と、イルの檻の前にノゾムとマリンが現れた…。
「…ノゾム…マリン…」
イルは少し、ニコリと笑った。
でも、半分、ノゾムとマリンを信じられない自分がいた。
この微妙な心境で、イルの精神は崩壊していった。
イルの中にあったリズムが、休止符を打った。
イルの時は止まった。
「…どうやら、ショータイムのようだ…」
ドククラゲがにっと笑う。
次の瞬間、イルの体は宙にぶわりと浮き、光を放つ。
強烈な力だった。
いつもの何倍ともある力で…。
イルはノゾム、マリンを光で包み込むようにして飲み込んだ。
しかし、力は一日一回が限度。
それを超えたら、体に危険が及ぶ…。
「…ウェ~…ん…」
心の奥底で、小さな自分が泣いている。
周りはどんどん闇になっていく。
自分はその闇に阻まれ、顔も上げられない。
その闇から、一本の黄色い手…。
イルははっと我に返った。
黄色い手を、握り返した。
「イルーっ、俺たちは仲間だ!!信じてくれ!!お前の過去に何があったかなんて知らないけど、俺たちは仲間で…友達じゃないか!!」
その瞬間、周りの闇が花畑のように色とりどりになる。
そして、光もおさまっていった。
限度を過ぎ、意識を失ってしまったイル。
次回、イルの決意と基地からの脱出!!
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